2018年3月15日
…この日事件が起きてしまった。
友人のさとるくんと、ロードバイクで四国一周の旅をしている途中だった。
この日は高知県の四万十川沿いを走ることにした。
お目当は、沈下橋(ノ*’ω’*)ノ
めちゃ簡易的な橋なのだ!増水時にも流されてないよう、手すりがつけられてない橋だ。全国的にも珍しい!これが不幸の一因だった。
ぼくとさとるくんは沈下橋でテンション上がって、写真をバシャバシャ撮っていた。
二台並んでパチリ。
この沈下橋では問題なく写真を撮り終えた。ここでぼくの欲がむくむく湧いてくる。
「沈下橋の写真をもっと撮りたい!」
これが間違いだった…(´;ω;`)
ふたつめの沈下橋を目指すことに。
んんー、気持ちいい!
コンディション最高じゃないか!ふたつめの沈下橋を見つけた。
また沈下橋の上にロードバイクを並べる。
パシャリ。
いいね、いいね!ロードバイクが映えてる写真だ。ニヤニヤしながら撮影する。
風「びょおおおおお」
ロードバイク「ばっしゃーーん」
(´ᴖωᴖ`)んんん?
(´・ω・`)???
………。
……ぎゃあああああああああ!!!!!
(((( ゚Д゚))))(((( ゚Д゚))))
さとるくんのロードバイクが川に落ちたぁぁぁああ!
なんてこったぁぁぁぁあああ(゚Д゚;ノ)ノ
橋の上にいたさとるくんが、飛び降りようとする。
ぼく「待て待て待て、その高さは危ないから降りちゃダメだ!!」
と叫び、さとるくんを止める。
川岸へと走るさとるくん。
ぼくもめちゃめちゃ慌てていた。さとるくんのロードバイクがどんどん流されていく……。僕も急いでさとるくんのもとへ向かう。
が!
さとるくん溺れてる……。
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ…水難事故になってしまうぞ!!
二次災害だけは防がなくては!と思った時には、ありったけの大声で叫んでいた。
「さとるくん!戻って戻って!!!」
ぼくの声が届いたのか、さとるくんは川岸へと戻ってきた。
なんじゃこの展開…。
運がいいことにロードバイクは岩に引っかかっている。
これ以上流されることはないだろう。だが微妙なバランスを崩せば、岩から離れて、また流されてしまう。流された先で、都合よく岩に引っかかってくれるとも限らないし、そもそもここから先は岩場がない。
どうしよう、どうしよう。状況は予断を許してくれない。
「消防に連絡して助けを呼ぼう」
と、さとるくんに提案した。
「だが、それでいいのか?」と思っている自分もいた。
助けが何時に来るかもわからない。待っている間にロードバイクが流されてしまうかもしれない。次に流されたら…ロードバイクは返ってこないかも…。
どうすりゃええねん……
さとるくんはパニックに陥って、また川へ入ろうとしている。それを制止する。さとるくんは足の裏を石で切り、血をドクドク出していた。川へ入れる状態じゃないし、早く病院に行かなくては。
一体全体、どうすべきなんだ。
近くの人の力を借りようとも、周りに人なんて全くいない。孤立したぼくらが取るべき行動は一体なんなんだ、とぐるぐる考えていた。
ぼくが出した答えは
「ぼくが泳いでロードバイク救出してくる」
ぼくもやはり冷静ではなかった。
これは間違った選択肢だ。
けどこの時は、ぼくが救出するのがベスト解だと思ってしまった。
決めてからは早かった。パンイチになって川へ飛び込む。
水の冷たさと水流の勢いに負けそうになりながら、泳ぐ。
なんとかロードバイクまで泳ぎ着けた。
岩はよじ登る。
自転車につけていたバッグを川岸へ投げる。ギリギリ届いた。
さて、ここからが問題だ。
ロードバイクを担いで川岸まで泳がなくては。
だが、川辺までは約10メートル。水深は2メートル以上あるだろう。
「もし流されたら、四万十川で死ぬのかな」
と考えてすごく怖くなった。ずっとドキドキしていた。
目の前の川はうねりながら、流れていく。
流れが速い。足を攣って泳げなくなったら、きっと流され死んでしまう。泳ぎ切れるんだろうかと不安がよぎった。
…いや、いこう。
「絶対に離すもんか!」と気合を入れて、フレームをぐっと握った。ぼくはロードバイクを担いで泳ぎ出した。
無我夢中で水をかき分ける。きっと大丈夫だ。泳ぎ切れるはずだ。
うおおおおおおおおおおおおお!!!!
……
気づいたら、僕とロードバイクは川岸にたどり着いていた。
よかった、本当によかった。
肺の底から深く息が漏れた。
脚がガクガク震えていた。
安堵で涙が出るさとるくん。
怖かったことだろう。
ぼくも自分のロードバイクが流されたらパニック起こすし、泣くと思う。
ぐちゃぐちゃに濡れた荷物たち。
街へ行って洗濯しようね。でも圧縮袋に入れていた衣類は、全く濡れていなくて九死に一生を得た。よかったよかった。
このあとは2人で自転車整備。
傷や凹みはなかった。ディレーラーやチェーンも問題なし。ガーミンも生きていた。めちゃくちゃ運が良かった。川に落ちたのにノーダメだった。落ちた先が岩場でなくてよかった。水抜きと注油をすればすぐに走れる状態になった。ラッキーだ。
事故現場。
やっぱり川は深かった。流れも速かった。あぶないぞ、ここ。
「気のゆるみ あせる気持ちが 事故を呼ぶ」
本当にその通りです。気をつけます。
ツイッターで報告する。
みなさん心配してくださる。ありがたい。
沈下橋の写真撮ろうとしたら、さとるくんのロードバイクが川に落ちた(´Д`||) (´Д`||)
大パニックでバイク救出したけど、本当に大変だった…
みなさんも川に落とさないように気をつけてください( ´•ω•) pic.twitter.com/nDTx67I8G0— りっけい (@rikkei2) 2018年3月15日
足の傷を応急措置。
ぼくもさとるくんも疲れ切ってしまった。異常な緊張状態で神経をすり減らし、川で体温を奪われて、自転車整備を念入りにして、へろへろだった。もうまともに走れる体力なんてなかった。
ただ、クタクタに疲れて食べるラーメンは格別に美味しかった。
本当に危ないことだった。
こんなことは絶対に真似しないでくださいね。川へ自転車が落ちた時には、まずは消防などに助けを呼びましょう。ロードバイクよりも命を優先してください。
ぼくはただ運が良かっただけだ。もうこんなに危ないことは2度とやらない。
疲労困憊で宿へたどり着く。
宿のおばちゃんにこの話をしたら
「私は軽自動車が流されていくのを見たことあるよ、がはははは」
と笑っていた。
高知県どうなってんだよ(゚∀゚︎)・∵︎.
つづき↓
四国最南端へ行ってみた【四国一周⑤】
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