「軽くて、扱いやすくて、カッコいいフェンダーはないものか」と探し回っていた。
たまたまネットで見かけたフェンダーにびびっと来て、買って使ってみると案外調子がいい。この記事では、そんなフェンダーを紹介してみよう。
目次
フェンダーに求める4つの条件
今回はグラベルロードバイクに、フェンダーを取り付けたい。
雪ライドにも投入するバイクなので、フェンダーがないと背中が雪だらけになってしまう。
ぼくがフェンダーに求める条件はこの4つ。
①軽量(できれば100g以下)
②取り付けが容易
③サドルバッグに干渉しない
④見た目がカッコいい
完全な「泥除け性」は求めてはいなくって、簡単で軽いことが必須条件に挙がってくる。さらに、輪行や大型サドルバッグでも邪魔にならないこと。
ネットで調べても、金属製のフルフェンダーだったり、簡易すぎるフェンダーだったり、「帯に短しタスキに長し」状態。しかしビビッとくる逸品を見つけてしまった…!
Barfly/Rain Flyが最適解では?
サイコンマウントブランドであるBarflyが打ち出す、ロードバイク用フェンダーRain Flyだ。
Barfly/Rain Flyのスペック
用途:リア用
カラー:ブラック
重量:45g(実測)
厚さ:1.3mm(実測)
価格(税込):2,750円
付属品:タイラップ4本
コウモリのような形の一枚シート。素材はPP樹脂っぽい。
ガイド線に合わせて、折っていくだけで組み立てられる。
タグの部分は、おそらく陳列用のものなので、切り離しておいた。
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実際に使ってみて分かった、長所と短所を紹介していこう。
長所①圧倒的な軽量性
まずは最重要ポイントである重量について。
本体重量が45gと、かなりの軽量級。
100gを切るフェンダーを望んでいたのに、その半分の重量しかない。全面PP樹脂なことと、タイラップでの固定によって、軽量に仕上げられている。金属素材のフェンダーではこうも軽くはならないだろう。
これ以上、軽いフェンダーは「アスセイバー」ぐらいしかないんじゃないだろうか?
「シートとタイラップ」だけゆえの軽量さだが、メリットはこれだけではない。
長所②簡単な取り付け方法
取り付けが、圧倒的に楽なのだ。タイラップ4本だけで、チャチャっと済んでしまう。工具も要らずでストレスフリーである。
シートステイを包み込むように2本ずつ巻く。タイラップは、両側に空いている穴に通して、締めるだけ。きちんと締め上げられれば、ズリ落ちてくることはない。
シートステイの傷つきを防ぐために、薄めのゴムシートを噛ませてやってもいい。
長所③邪魔にならないフェンダーとして優秀
サドル下におおきなスペースを確保できる。これがRAINFLYの最大の特徴だろう。
シートポストやサドルに取り付けないので、大型サドルバッグを付けたとしても干渉しない。キャリアまで取り付けられそうだ。パッキングにおいて邪魔にならないフェンダーというのは貴重だ。
さらに「乗降中にも足を引っかけにくい」こともメリットに挙がってくる。後輪に沿った位置に設置できるので、乗り降りで足が当たりにくいのだ。
長所④見た目がカッコいい
そして、見た目がカッコいいのもポイントが高い。
バイク全体のシルエットを崩すことがない。マットブラックなので、標準装備されているフェンダーにすら見える。
短所①長さが足りない
とここまでほめてきたが、やはり欠点もある。「泥除け性」が低いことだ。
カバーできる範囲が。11~2時までとかなり限定的だ。
高く跳ね上がった水滴はどうしても背中についてしまう。長時間の雨天ライドや、何度も水溜りに突っ込むライドには、正直不向きだと思う。
また下り坂などスピードの出るシーンでは、やはりカバーしきれずお尻部分まで濡れてしまうことがあった。
もうすこし長さがあれば、跳ね上げもほぼ防ぐことができるんだと思う。
ホームセンターで似た材質のシートを買ってきて、繋ぎ合わせで防御力を高めてもいいかもしれない(長さ方向への強度がやや不安だが)。
しかし幅方向には十分な太さがあり、 組み立て状態で約56mmの幅がある。想像よりもオフロードタイヤにも対応できる太さだ。
短所②角度が調整できない
フェンダーの取り付け角度があまりできないことだ。
このようにシートステイに沿わせるため、位置合わせと角度に制限がある。
僕のグラベルロードではタイヤに干渉することはなく使えるが、見た目を重視するとなると、角度を調整したいものである。ネットで購入する場合は、届いた現物で合わせるしかないので、そこがやや難点だ。
カスタマイズしたら、とても使いやすくなった
ばくにはもう2つ懸念していることがあった。
「ズリ落ちてしまうかもしれない…」「輪行の時、タイラップを切るための刃物を持ち運ぶのか…?」と気になっていた。
しかし、バイクとフェンダーを見比べていて、あることに気づいた。
このダボ穴、活用すれば解決できるのでは?そう、僕のグラベルロードにはシートステイにも、ダボ穴があるのだ。
フェンダーの片側には3つ穴が開いているので、1つはダボ穴に、1つはそのまま空けておき、残り1つはマジックテープで固定すればいいのでは?
試しに大きさを比べてみると
M5ボルトとフェンダーの穴のサイズはピッタリ。穴を大きくしなくとも、このままボルトを通せてしまう。
あとはマジックテープが通る穴を大きく拡張するだけ。
樹脂シートなので、カットは簡単だ。カッター1本あればできてしまう。
完成!すこし角度も改善でき、スマートなフェンダーに進化した。
ダボ穴で留めているので、ズリ落ちてくる心配もない。タイラップのままだと、一度切ってしまえば使い捨てるしかなかったが、この方法なら出先で取り外しが何度だってできる。
しかも思いがけない副産物を見つけてしまった…!輪行も超簡単にできるのだ。
輪行のために、携帯工具を取り出してボルトを外して取り付けるのは非常に面倒くさい。
だが、こうしてマジックテープを外しておけば…
フェンダーを跳ね上げて、シートポスト横に格納できるのだ。ダボ穴を起点にして、フェンダーをくるっと90度回してあげるイメージ。
縦置き輪行、横置き輪行どちらにも対応ができる。作業数の多い輪行準備でも、これであれば「フェンダー外し」も負担にならないだろう。しかも、フェンダーとバイクが完全に切り離されないのもポイントが高い。「取り外したフェンダーを、輪行袋に詰め忘れてしまう」というウッカリも防げる。
これはFUJI Jari1.3のジオメトリーだからこそ産まれた副産物だ。他のバイクではうまくいかないかもしれないが。加工が簡単なので、他のバイクでも加工次第でできる可能性も高い。
まとめ
というわけで、Barfly/Rain Fly。これはいい買い物だった。
今回はグラベルロードだったが、ロードバイクにも取り付けられる製品だ。「泥除け性はそこそこに、使い勝手のいいフェンダーが欲しい」と思うなら、このRain Flyが候補に挙がるだろう。
まずは1つ持っておいてもいいのではないだろうか。
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