どうも、りっけいです!
自転車旅の楽しみ方の一つに『旅先で出会った人とコミュニケーションをとること』がある!
…というのも、自転車で旅をしていると、実に様々な人たちに会えて面白いのだ。
宿のおばちゃん「あらま~、こんなところまで自転車で来たんかいな!」とビックリされたり、田舎のコンビニの兄ちゃんに「どんな自転車乗ってるんですか?ちょっと見せてください」と自転車談義が始まったり。ほんと面白い出会いがいっぱいあるのだ。
そんなふうに話していくうちに、面白い話を聞かせてくれたり、ご飯のサービスをしてもらったりする。果てには、飛行機内でCAさんにメッセージカードと飴をいただいたりする。
すごく嬉しいんだけど、なぜこんなことになるのかホント意味が分からない。
ぼくのコミュニケーション能力が高いわけでもないのに、行く先々の人と仲良くなれることが多いのだ。
人に恵まれやすいぼくでも、自分の性格に矛盾があるなあなんて思う。
家のご近所さんには「あ、おはようございます…」とちっちゃな声であいさつするのに、旅に行ってしまえば「どうも~!こんにちは!」と知らない人にパッと挨拶できたりする。不思議な性格だ。
なぜ旅先の人と仲良くなれるのか、自分のコミュニケーションの取り方を振り返ってみたので、ちょっと紹介してみよう。
話のキッカケはなんだっていい
ほんと、話のキッカケなんてなんだっていいと思う。
見知らぬ人にいきなり声をかけられたら、多少の警戒心は誰だって持つでしょう。「え、なに?何の要件なんだ?」と勘ぐってしまう。これは動物的な本能なので、もう仕方がない。本心じゃなくて本能なんだから。
話しかけられてビックリする。そこは誰だって同じだ。そこで怪訝な顔するよりも、ぼくはなるべく笑顔で答えるようにしている。相手の顔をみて、ちゃんと笑顔で挨拶しておく。保育園で習ったことをそのまままするだけ。
もうこれだけでコミュニケーションは90%うまくいく。
話のキッカケは「なにを話すか」よりも「どう話すか」にかかっていると思う。話のはじめに、笑顔で受け答えするだけ。正直、話始めの内容なんてなんだっていい。天気のことでも、この先の観光地の話でも、自転車のことでも。お互いに警戒心をなくせればいいので。
逆に自分が話しかける側でも、まったく同じで「こんにちはー!」と笑顔で挨拶するだけ。はじめのうちは恥ずかしいかもしれないけど、慣れてしまえばどうってことはない。妙に気を遣ったり、デリカシーばかりに気をとらわれていたら、新しい出会いが生まれないままだと思う。
どうもぼくは、おばちゃんとおっちゃんから話しかけられるタイプのようだ。
友人のさとるくんと自転車旅の途中、ご飯屋さんに立ちよった。丼を食べながら「うまい!うまい!!」と言い合って食べていると、「自転車乗ってきたの?」と店のおばちゃんに声かけから会話が始まり、あれよあれよと話しているうちに、小鉢一品とデザートのサービスをしてくれたのだ。うれしかったなあ…。
「自転車に乗っている人かな」と相手の興味を引いていて、向こうも会話のキッカケを探していたのかもしれない。「あ、自転車?」「どっから来たの?」とこちらに興味を持ってもらえたら、コミュニケーションはどんどん進んでいく。
会話はプロレスだ
会話には、“話し手”と“受け手”がいる。
プロレスと似ていて、オフェンスとディフェンスが交互に入れ替わって、お互いを引き立てあうものだと思う。“話し手”と“受け手”のレベルが高ければ、嫌でも会話は面白くなる。
話しかけられる側(受けて)に立った時には、『相手の話に乗っかる』のが一番のコツだと思う。
「自転車って疲れない?大変じゃないの?」と聞かれることもある。「いやいや、好きで乗ってるし大変じゃないですよ」と返してしまえば、会話はしぼんでいく。そうじゃなくて「確かに疲れますし、大変な時もありますね~。でも好きで乗っているので、すごく楽しいものですよ!」と一旦相手の意見に乗っかるのだ。
すると相手も「お!」と表情が変わったりする。そこからは自分が“話し手”側に回って、自転車にまつわるトラブルの話をしたりもする。逆に相手からさらに質問をされれば、『乗っかり続ける』だけでいいのだ。「そうですね」「わかりません」という答えないようのない返事よりも、よっぽど会話は面白くなる。
もう1つ付け加えるなら、『大げさなリアクション』もすごく役立つ。
青森へ自転車旅をしていた時のこと、お昼ご飯を食べようと食堂に入ったら満席だった。案内された席で相席となったおばちゃんから声をかけられる。話の内容なんてたわいもないことだったけど、ぼくはテンションが高かった。こっちも楽しくて自転車旅をやっているわけで、そら人と話すときもテンションが高くなるわけで。
「へ~、そんなこともあるんですね」「あ、それは知らなかったです」と声のトーンも高く、前かがみ気味で、ときには思いっきり笑って、話を聞いていた。親近感が湧いたんだろうか。おばちゃんが「食べきれないからあげるよ」と天ぷらを丸々譲ってくれたのだ。ほんとたまたまだったと思うけど、こうして優しさに触れられるのは嬉しいことだ。
冒頭のこの写真も、コミュニケーションがうまくいったときの写真だ。
たまたま宿で一緒になった、外国のおばちゃんと意義統合したのだ。プロのカメラマンだったので、お互いの一眼レフを見せ合うことから始まり、写真を見せ合い、いろんな話に広がっていった。
会話が英語だったので全部が分からなかったけど、ニュアンスで言ってることはなんとなく理解できた。このときも『大げさなリアクション』が役立った。相手の話をふんふんと大きくうなずき、手振りを交えて話をしただけ。
最終的には「あなたの乗ってる自転車見せて」と興味を持ってもらえて、冒頭の写真のような試乗会が始まった。
最終的にはこんな笑顔で楽しんでくれたので、いい関係になれたのかな、と思ってる。
相手が期待している以上のリアクションで返してあげるのというのは、すごく効果的なコミュニケーション方法だと思うようになった。
図々しい頼み事でも聞いてみる
自転車旅をしているとどうしても困り事が出てくる。
ぼくは宿でお願いすることが多い。
「いきなりだけど今日素泊まりできますか?」
「自転車を室内保管できませんか?」
「洗濯機を使わせてもらえますか?」
などなど、聞けることは何でも聞くことにしている。
こちら側のお願い事なので、『相手が不快に感じることはしない』だけを心掛けている。ここはある種の交渉術というか、経験によるものも大いにあるので、自分のスタイルをつかめれば、すんなりと受け入れてもらえることが多い。下心なしに素直に困っていることを話すことが一番いいと思う。
「今日食べるものがないんです」と田舎の個人商店のおばちゃんに素直に相談して、
奥の棚からレトルトカレーを引っ張り出してくれたこともあった。
こちらの困りごとに一緒になって考えてくれるおばちゃんの優しさに感謝だ。気取らず、格好つけず、「これ困ってるんです~」と話すのが一番の解決方法だったりする。でも、お願い事って相手のご厚意に甘えることなので、あまり強くお願いするのもよくないかもしれない。
相手はプロなんだし、できないことはきちんとNOと言ってくれる。NOと言われたら素直に引き下がるだけ。
まとめ
コミュニケーションは面白い。
予定不調和というか、ライブ感を楽しんでいる節はある。
どんな人と出会い、どんな話をして、どれだけ楽しめるのか。自転車旅をしているからこそ出会える人たちはいっぱいいる。
なんら気負うことはない。だって嫌われたって問題ないんだから。
今でもいい関係を持てている好きになったお店や宿の人がいるからありがたいことだ。その人たちにに会いたいと思えば会いに行けるし。
少し家を出てみれば、知らない世界が待っているんだから、自転車旅は面白い。
おわり。