【インプレ】Mavic Cosmic Ultimateを買ってみたら、とんでもない変態スペックホイールだった!

ロードバイク

ついに手に入れてしまった…!


Mavic Cosmic Ultimate 2016だ~!!!うおぉぉお!!

Mavicが誇る最高峰ホイール!


『ホイール沼の底に鎮座している逸品だ』

軽量沼、剛性沼、カーボン沼…すべての沼はすべてこのCosmic Ultimateに繋がっていた…恐ろしい子。対等に比較できるホイールなんてLightWeightぐらいしかないんじゃ…?

この記事では、この化け物ホイールのスペックと、導入に至った経緯を記していこう。では、いってみよー!

このホイール、一体なにモノ…?


このホイールを知っている人は少ないと思う。日本でレビューを書いている人もわずかだし、海外サイトにもほとんど情報がない。

一体なにモノなんだ、このホイール…?

端的に言ってしまえば、『フルカーボンチューブラーリム&フルカーボンハブボディ&フルカーボンスポーク構造のオールラウンド戦艦ホイール』ですね(端的とは?)

プロのロードレースでもニュートラルバイク*でホイールを提供するMavic社。世界でも認められているホイールメーカーが打ち出す最高峰…これはすごいぞ…。

*機材トラブルが起きたとき、チーム関係なく提供される代替バイク


Mavic Cosmic Ultimate

まずはこのネーミングから解き明かしていこう。

Mavicは、カーボンリムをCosmic、アルミリムをKsyriumと名付けている。その中にもグレードがあり、Ultimateが最上位なんです。

カーボンリムホイールの中でも、最高グレード。それがMavic Cosmic Ultimateなのです。

スペック

では、具体的な数字を見ていこう。すべてが常軌を逸していやがる…。


フルカーボンのモノブロック構造だよ。

基本スペック

リムハイト:40 mm
リム外幅:21.5mm
ペア重量:1,185 グラム(実測1,183g)
フロント重量:520 グラム(実測503g)
リア重量:665 グラム(実測680g)
スポーク本数:各20本
タイヤシステム:チューブラー
参考価格:450,000円(ペア)

リム素材:100% 12Kカーボンファイバー
スポーク素材:ユニディレクショナルカーボンファイバー
ニップル素材:真鍮、ABS
フロントハブ素材:100% カーボン
リアハブ素材:アルミニウム

伝わりますか、この変態性…。細部を見ていきましょう。

超軽量リム


浮き出た市松模様が美しい。

チューブラー対応なので、ビートをひっかけるフックが必要がなく、軽量に仕上げられている。外周部分を軽くすることで、登坂性や加速性を確保している。内側にいくほどリム幅が狭くなるという徹底ぶり。


バルブ径を確保するために、わざわざバルブ出口だけを厚く。ちょっとこだわりが強すぎませんかね…?

リアホイールは非対称リム。推奨タイヤ幅は21~28C。

実はニップル穴が開いていないのだ。「え、いったいどうやってリムとスポークを繋げているんだ
?」
その疑問は、スポークを見れば一発で解決してしまった。

リム一体型の変則スポーク


わかるだろうか…これ、リムからスポークが生えているんだよ…?意味が分からないよね。

リムとスポークが一体になっているらしい。

…え?…えぇ??

製造工程では「リムが出来上がったらスポークも一緒に出来上がっている」という噂がある。これが本当ならMavicの製造技術力はハンパじゃなく高い。にわかには信じられないけど、現物をじっくり見ても絶対にこれは一体になっている。どこにも接着痕が見つからない。とんでもねえや。


スポーク形状はR2Rと呼ばれる完全きしめん形状。

前後ともスポークは20本使われている。使われているんだけど…その使い方が常識から外れている。


この写真で伝わるだろうか…?

スポークとハブの位置関係を見てほしい。リムから伸びてきたスポークがハブに接続せず、そのまま素通りして反対側のリムへ繋がっているのだ。ハハハ、わけがわからないよ…()

一旦整理しよう。通常のホイールの場合、スポークというのはリムとハブを繋いでいるのだ。スポークの長さは、ホイールという円の半径だけあれば充分なのだ。しかし、Cosmic Ultimateは違う。

リムからリムまで伸びて、円の直径分の長さがあるッ!怪奇!!

もう頭がこんがらがってきた。なんなんだ、これは…。

ニップル要らずで軽量化だとか、一本化して剛性アップだとか、そんな理由らしいけど、そこまでやるかね???開いた口が塞がらないよ。ヨダレだだ漏れよ。

フロントホイールのスポークは20本ともこの構造だ。これで一切メンテナンスができなくなっている。完全にカーボンの塊。ちょっとリムが曲がったら、修理不能。なんにも調整ができない。HAHAHA~!

すでに理解の範疇を超えているのだが、リアホイールはもっとすごかった。

変態の極みハブ


…わかります?これ、わかります??

反ドライブ側のハブに、ニップルがついている!!なんでだよ!!!

ニップルっちゅうのは、リムについててスポークを繋いでくれているんじゃないの?なんで君はそこにいるの?おめーの席そこじゃねーから。

もうMavicさん、すごすぎますね。変態の発想です。


真鍮製のニップルをリム側に配置すると外周部が重たくなるから、ハブ側に付けているんだろう。

しかし、これでホイール全体のテンション調整ができるんだろうか?

反ドライブ側にしかついてないのに、フレ取りとかできるんだろうか?ここまでぶっ飛んでいるMavicを信じるしかない。これでリアだけは調整できるんだ!わーーい!(ヤケクソ)

リアのハブはアルミボディだが、フロントは…


はい。カーボンボディですね。はいはい、すごい、すごい、とてもすごい(棒)

買った理由

これをホイールと呼んでいいんだろうか…?すっきり理解できるスペックが1つもなくて、脳がまだホイールと認識できていない。なにこれ。

ふー、気持ちを落ち着けよう。

こんなド級スペックのホイールをなぜ買ったのか…。その理由を少し話していこう。

①カーボンミドルリムが欲しかった


ARGON18 GALLIUMに合わせるなら、ミドルハイトのホイールがいい。

太いダウンチューブに、カーボンのミドルハイトを合わせると精悍に仕上がる。もともとReynolds Assaultを履いていたのだが、悲しい事件のおかげでぶっ壊れてしまった。ローハイトも決して悪くないんだけど、ミドルハイトが欲しいって反応には勝てなかった。

②硬いホイールが合うのか知りたい!


レースには出ないゆるポタ派。だけど「硬いレース向き」なホイールに興味があった。

柔らかいフレームのGALLIUMには、硬いホイールを履かせたい。DURA-ACE R9100 C24には1万km以上乗って気に入っているけど、どうも柔らかい。柔らかいフレームにはちょっと合わないかもしれない。なんとなくそういう思いがあった。

けど、「Mavicの最高峰ホイールとは、いったいどれほど硬いんだ?」という興味がむくむく起き上がってきた。ライトウェイトと対を成す存在の軽量級フルカーボンのホイールの乗り味、気になります!

③やはり最高峰を一度知っておきたい


最高峰って、なに?

ただこれだけのシンプルな疑問だった。いままで乗ってきたホイールも決して悪いモノじゃなかった。むしろ様々なシチュエーションで走りを助けてくれて、すごく気に入っている。

…だけど世の中にも、もっとすごいホイールがあるらしい。

ごくり…気になる。何をもって一番と定義するのかは難しいけど、ホイールメーカーの看板商品となるホイールは必ずある。じゃあ、そのメーカーの一番を味わってみたい。どんな世界が待っているのか、一度見てみたい。

そう思って選ばれたのがMavicでした。ホイールメーカーの中では長い長い歴史を持っていて、今なお高性能ホイールを打ち出している老舗ブランドだ。ユーザーからの評価だって高い。じゃあやっぱり最高峰を一度知っておきたい…!

④たまたま安く手に入れられた

…とここまで、それらしい理由を列挙してきたが、実は一番の理由はコレだった。

定価で買うとなると45万円の代物だ。いくらほしいといっても簡単に買えない…。

「まあ、最高峰ホイールなんて死ぬまでに買えたらええか~」なんて思ってTwitterを見ていたら、中古で売りに出されていることを知ってしまったのだ。

45万円のところ、中古で12万円だった。

…さすがに12万円は高いよな…

なんてことも考えず、すぐ買った。ポチる指には迷いはなかった。

ファーストインプレッション


そうして手に入れたのでした。

まだほんの少ししか乗ってないけど、ものっっっすごい快速ホイールだわ、これ。加速性、巡航性、登坂性、コーナリング…どれもがピカイチ。

分かりやすく言うと、「オートバイとロードバイクの中間の乗り物」に進化した感覚。

自分が踏んだ以上の力で進んでいく。ペダリング効率120%オーバーしている気しかしない。ゆる~く走って「いま28km/hぐらいかな」と思ってサイコンを見ると30km/hを超えていた。踏む感覚とスピード感覚がバグりまくって非常に楽しい。

地面の上を滑っていくようなフィーリング。

外周部が軽いことと、チューブラーの乗り心地が大きく効いている。

ためしに45km/hまで加速してみたが、ずっと気持ちいい。ホイールのスイートスポットの上限がどこまで設定されているのか全く分からない。壁がなくどこまでも加速していけるような錯覚を覚える。

剛性バリバリなので、ロングライドでどういった走りになるのかはこれからが楽しみなところ。硬すぎて自分の脚が終わってしまいそう。逆に言えば、完全な剛体なのでペダリングの矯正装置として働くことを期待している。

あ~これからが楽しみだ!いっぱい乗らせてもらうぞ!!(フルカーボン製なので、ぶっ壊れやすいらしい。…怖い)

しばらく乗り込んだら、インプレ記事アップしよ!

つづく