【夕暮れ】東北縦断ツーリング⑤【津軽半島】

201908東北

ロードバイクで津軽半島を疾走していた…!

うっひょーー!

目指す先は竜飛岬だぁああああ!!

いくぜ、津軽半島!青線は走ってきた道、赤線は今から走る道。

この記事は東北縦断ツーリング4日目の後半!
前半の記事はここから読めますよん!

竜泊ラインを北上する!絶景が待っていそうだ!


空のコンディション…いいね!

薄く広がる雲。これはさぞ美しい夕焼けを見せてくれるだろう。わくわくしながらペダルを回す。夕方に半島端を目指す人は、そう多くはない。ほぼ貸切状態の道路を好きなペースで走る。


アップ→ダウン→アップ→ダウン

勾配がぼく好みだ!いい気分で細やかな坂を越えていく。


滝!涼しいね!


おお!

思わず停車する。なんとも美味しそうな坂道だ。勾配10%越えのロングクライムの予感…!

ずーーーとズームしていくと…


ふははははは!

思わず笑ってしまった。青看板がめちゃんこ高いところにあるね!こんな見晴らしのいい坂、滅多にないね!!最高だね!!

俄然ヒルクライム欲が高まってきた。パワーを出してゴリゴリ立ち漕ぎで登っていく。ぐい、ぐい、ぐい。息と脈拍が上がるが、それが楽しい。高揚した気分のまま『高く!もっと高く!登れ!』と気持ちが抑えられない。

あははー!きっもちいーー!

登りの途中、ふと振り返ると…

ああぁぁああああ!!うつくしいーー!!

空がニコリと笑ってくれている。陶器のような蒼さとシルクのような白さ。どこまでも広がる空にちょっぴり感動していた。

少し雲の位置が変わると

光のカーテンだ!


蒼から一転して、柔らかな琥珀の色に変わった。ああ、夕暮れは大好きだ。短い間に様々な表情を見せてくれる。


空を味わいながらヒルクライムをする。標高がぐんぐん上がると、山の吹きおろしがキツい!風に思いっきり逆行して登ることになる。
ひぃ、ひぃ、ひぃ…まるで空から降ってくるような風だ!

展望台が見えた!もう少しで登頂だ!
最後のヘアピンカーブ。いっけぇええ!!足まわれぇえええ!!!

登頂!!
ふと振り返ると…

サーキット場みたいなカーブだな!笑


標高500mからの景色だ!


やっぱり薄い雲が美しいじゃないか!予想以上の景色にほくそ笑む!


北海道丸見え〜!いつしか行ってみたい大いなる大地だ!

ひとりバシャバシャ撮っていると、『あれは北海道やろか?』とクセのあるおっちゃんに声をかけられた。そこから旅談義が始まった。

おっちゃんも昔一日自転車に乗っていたようで、180kmを毎日走っていたそうな。それもマウンテンバイクで。えげつない走りだ!ちょっと変わり者の匂いがしますな(^ω^≡^ω^)
息子さんがロードバイクの実業団にも入るほど自転車一家のご様子。

最後におっちゃんは一言残していった。
『この辺はな、密入国者がおるんや。拉致されんよう、気ぃつけてぇな』
関西訛りの忠告にすっかりビビってしまった。

…まあ、だ、大丈夫だ。きっと、大丈夫。
まだ空は明るいし、ここは観光地だし、きっと大丈夫だ。

小さな不安を抱えつつも、展望台を離れ、灯台のある竜飛岬へ向かう。ひたすらダウンヒルするだけの簡単なお仕事。10分ほど下れば着いてしまう距離だ。

そして、ここが

竜飛埼灯台だぁああああああ!!

この1枚が撮れたあとには、しばらく魅入ってしまった。点灯直前の灯台、一日の終わりを告げる空、いつも通り湛える海。奇跡のように美しく調和している。


人の手で造りだした灯台すらも自然の一部なんだ。きっといつかは朽ちるのも自然の摂理なのかもしれない。そう素直に思える光景だった。

いい景色に出会えた。心が動かされるものには不思議と尊敬の念が湧いてくる。ああ、素晴らしや!


津軽海峡の入口を見守る1932年製の大型灯台だ。いつまで残るんだろうか。いま出会えてよかったよ!

大満足だ!灯台も竜飛岬も魅力に溢れている。とっても好きになった。いいね!

さあて宿までひとっ走りしますかなー、とバイクを進めたところで、あるものを見つけた。


お気づきだろうか、この違和感。

階段国道だぁあああああ!!!全国にひとつしかないヘンテコな国道だ!噂は聞いていたけど、まさか津軽半島にあるとはな!!


テンション上がる!!
写真
300段以上の階段らしい。

これは行くっきゃないでしょ!!自転車を担ぎ、意気揚々で階段を降り始めた…。

あえて詳細は書かないでおこう。

代わりに降りているシーンを動画にして、YouTubeにアップしたので気になる方は覗いてみてね!(誘導)

肩の骨が外れたのかと思うぐらいキツかった!!

ふぅ、ふぅ、ふぅ、荒らげた息を整える。いやー、アホなことしたわ。

この時点で18時30分。宿まで70km以上あるぞ。一日中遊んで90km漕いで体力はギリギリだ。

それでも!漕ぐぞ!めっちゃ走るぞ!
と謎の気合いを入れて、ペダルを踏み始めた。


漁村らしい雰囲気。

もう夜がすぐそこまで来ている。急げ急げ…!!

閑散とした地域をひとり駆け抜ける。もはや家も店もない地域だ。

ふ…と、おっちゃんの言葉を思い出した。
『拉致されんよう、気ぃつけてぇな』
うわわわわわわ!恐ろしい…。

やばいぞ…。
たしかにこの一帯には『不審船注意!』の看板がやたらと多い。密入国してくる人たちもいるのかもしれない。ヘタしたら……。ひぇぇええ……。


さっきの竜飛岬には、海上自衛隊のレーダー基地があった。

きっちり警備をしているんだろう。それでも危険な可能性があるから、レーダーがあるわけで…。

これまで聞いてきた悪いニュースが一気に頭の中を駆け巡る…。金品を巻き上げられるかもしれない。襲われるかもしれない。悪い妄想が進む。ひとりで自転車に乗ってるだなんて、格好のターゲットじゃないか!!

うおおおおお!!!!恐ろしいいい!!!!
一気にギアを上げてスピードアップする!!ジャガジャガジャガ!!

もう死ぬ気で漕いだ。ここ周辺に住んでいる方には非常に申し訳ないが、すごく恐ろしい土地だと感じてしまった。

そこからは必死で走っていた記憶しかない。スピードは軽く30km/hオーバーしていただろう。いったいどれだけ走ったのか。コンビニを見つけた時には、なぜかホッとした。おそろしかった。とんかつ弁当とサラダを買って、もぐもぐ。

今別町、外ヶ浜町、逢田町といった海沿いの街を駆け抜ける。遠くの方に青森市の明かりが見えてきた。海越しに見える市街地にちと涙腺がゆるんだ。


青森市入り。

去年の7号線キャノンボールで、事故りかけたジャリ路面は、キレイに舗装されていた!よかった!

灯台から約3時間半…青森市街地だぁああああ!!


記念撮影!


ここがキャノボのゴールとなった標識だ!
4号線、7号線キャノンボーラーの聖地だ!

当時の高揚感を思い出して、足が震えた。24時間で500km以上走ってここまでたどり着いた。いまでも信じられないけど、たしかにぼくは7号線を走りきり、ここに居たんだ。よくやったよ!


宿にたどり着いた。
お風呂に入ってすぐに眠りの世界に落ちていった。今日はいっぱい漕いだなあ…!!

つづきはココからどうぞ~!