今回の挑戦は、ちょっと面白いぞ。
『1000kmを自転車で走る』
自分でもどうかしてると思う。アホなんじゃないかと思う。
1000kmなんて、自転車の移動距離なんかじゃない。飛行機で移動する距離だ。東京からなら福岡や札幌に行けてしまう。
それを自転車でなんて、無謀なことよ。しかも今回は80時間という制限時間をつけてみた。
そもそも、なんでこんな挑戦をやろうと思ったのか。
きっかけ
ちょっと話を遡ろう。
あれは一年前のこと。友人のさとるくん(Twitter @rikusato37)と『ゆるキャノボ』と称して、530kmを36時間で走った(当時の記事はこちら)。
辛いことも多かったけど、ゴールした瞬間の達成感はひとしおだった。
気持ちいい…ほんとに気持ちがいい…。こんな距離をよく走れたと、有頂天だった。
ゴールで出迎えてくれたはまでんさん(Twitter @m_idea105)と、3人で祝杯を上げにマクドナルドへ向かった。
深夜0時を回っても店内は行列してて、注文のために大学生ぐらいの人達たちが列に並んでいた。この時はまだコロナ禍になる前で、なんとも平和で、ごくごくありふれた日常が目の前にあった。
そんないつも通りの喧騒につつまれた店内を見ながら、ポテトを口に運び、ふと思った。
『あぁ……1000km走ってみたい』
唐突にそう思った。なぜかそう思った。
さっきまで死力を尽くして走って、何もかもを捨てる覚悟で駆け抜けた。
死ぬ気でゴールした先には、いつもの日常が広がっていた。ああ、生きているんだな。
……んん?…自転車で長距離を走っても死なない……また日常に戻れるじゃん。
きっとそういう思考回路があったんじゃないかな。死ぬ気で走っても死なない。
ならもう少し走ってみたい。
ただ純粋な興味が湧いてきた。
はたから見たらただの妄言だ。出来るわけがない。530kmでギリギリだったんだ。これ以上を走れるわけがない。
それでもちょっとやってみたいかな……。
隣でナゲットを食べているさとるくんに恐る恐る聞いてみる。
『ねぇ、次は1000km走ってみない?』と。きっと断られるんだろうなと予想しながら。
しかしさとるくんは『おぉ、いいですね!』とニッコリ笑っている。
え?なんと???
だってついさっきまで一緒に死にそうになって走ってきたじゃないか。寒い寒い夜を越えて、身体中の筋肉という筋肉を酷使してしたのに。
それがあっさりOKだと……?
やはりさとるくんは並の人間じゃない。彼はバケモノだ。『今回が36時間だったから、72時間……いやもっと時間が要るなあ』とさとるくんがリアルな計算をし始めたあたりで、本気になっている様子をヒシヒシと感じた。
ロングライド強者のはまでんさんも『いけますね!ふたりならいけますよ!』と話に乗ってくれる。なんだ、この展開……。
それからまた半年。さとるくんが2号線キャノボ(530kmを24時間以内で走り切るチャレンジ)を達成した翌日に、『四国一周1000km一緒にいきません?』と電話してきたのには大いに笑ってしまった。もうおかしくって、おかしくって…。あの時の妄言を実現しようというのか。
ジリっと脳が焼ける感覚が……。
いいじゃんか……面白そうだ……!!!
あの電話からまた半年経った。
ついにぼくらは四国を舞台に1000kmライドを敢行することを決めた。制限時間は80時間。お互いに1000kmという大台を走った経験もなく、3日間以上のファストライドの経験もない。走力、睡眠、地形、天候を加味して80時間と設定した。
さあ、行こうじゃないか!四国一周へ!!
コース
さて、今回の舞台は四国だ。
さとるくんと初めてロングツーリングした地も四国一周だった。
あれは3年前のこと。お互いにツーリング初心者だったのに、1000kmを9日間で走りきった。途中で自転車が川に流されたり、ラスト100kmで大雨に降られて断念するしないのケンカをしたり、汗と涙の思い出が詰まった素晴らしい旅だった。(当時の記事はこちら)
あのときの自分らを超えてみよう。
コースは以下のようにぐるっと海沿いにした。アップダウンや信号が少なく、天候が安定しやすく、走っていて楽しそうな道だ。
クリックすると詳細が見れるよ!
今回はセオリーとは逆の反時計回りで走ってみる。左側通行の日本では、『島は時計回りに走る』方が海が近くに見えて走りやすい。
ただ今回は色んな戦略のもと、反時計回りとしている。
・街が多い北側を初日にして、2日目以降を楽に走れるようにする。
・どっち向きでも最西端の佐田岬をどうしても深夜に通るので、体力のある初日に抑えに行く。
・逆に南側はほとんど街がない上に、西風が背中を押してくれる可能性がある。
・3日目は登りが少ないルートになる。
などなど。その他にも天候やホテルのある街の位置、走力を考慮するとこういうルート取りになる。
きっと初日は雨に降られてしまうけど、そこさえ越えてしまえばディスアドバンテージは少ない。うん、きっと大丈夫。
機材紹介
ちょっと自転車の紹介もしておこう。
ARGON18 GALLIUM 2017
頼れる相棒。この子がいればどこだって行ける。
ホイールはREYNOLDS ASSAULT
平地も登りも行けてしまうオールラウンダー。もう少し剛性があってもいいかなと思うこの頃。タイヤはVittoria Corsa。このするする進む感覚は気持ちいいぞ。前は28C、後ろは25Cというセッティング。
収納力バツグンのオルトリーブ サドルバッグ!ロングライドでは手放せない!
R250 トップチューブバッグ。使い勝手が良すぎてお気に入り。
ダウンチューブ下にツールボトルを設置!拡張性、大事ね!
Prologo PASサドル。これでお尻が痛くならない優秀なサドル。
50-34Tのコンパクトギアに最近換えました。トップ側のギアも使えてうれしいね!
ライトはハブ横とハンドル下の2個は2個付け。オーバーナイトもするからね!
まあ、いつも通りっちゃいつも通り。あまり初物を挑戦系ライドには入れたくない。とはいってもリアライドは新しく1個増設して、計3灯にしたけどね。
装備
荷物は悩みに悩んだ…暖かい四国でも夜は冷える。とくに2018年のこの時期(GW)は全国的に冷えて、四国でも最低8度まで下がった。今年の天気もチェックしていたが、やはり完全な予測はできない。うんうん、と2週間悩んで出た結論が…
寒いに耐えるぐらいだったら、多少荷物が増えてもいい!
80時間だとどうしても3回は夜を超えないといけない。寒い夜ってのはモチベが下がるものなのだ。震えながら走るなんてお断りだ!
でなわけで、荷物はざっと以下。
着ていくもの
ヘルメット、透明サングラス、ネックウォーマー(夏用)、指切りグローブ、サイクルジャージ、夏用インナー、タイツ、サイクルパンツ(パッド入り)、短パン、パンツ、靴下、シューズ
サドルバッグ
夏用インナー、短パン、冬用グローブ、シューズカバー、充電機器類、モバブー(小)、輪行袋、日焼け止め、ワセリン
トップチューブバッグ
モバブー(大)。ケーブル
ツールボトル
チューブ3本、携帯ポンプ、タイヤレバー、お守り
サイクルジャージ
補給食、スマホ、財布、自転車鍵
とまあ、低温にも対応できる範囲で、着替えを限りなく減らしたというね。寝巻はインナーと短パンしかないよ!
あとサイクルジャージには、一工夫した。
わきにポケットを増設した!3ポケットがデフォのところ、両わきにつけたので計5ポケットというね!手縫いで布をつけただけなので、ライドの途中で取れるってトラブルだけはないように祈りたい(先日のグラベル100kmにも耐えたから行けるとは思うけど)
補給食はなんてことない。SOYJOY、カロリーメイト、チョコバー、ジェル系。
コンビニではおにぎりとかちくわとか買って随時、食べていく予定!
そうそう、もうひと工夫を。
これをこうして…こうじゃ!!
チョコベビーの容器に、塩分チャージのタブレットをぶち込んでみた。これが思いのほかいいんだよ。容器の口にタブレットの大きさがぴったりなので、ちゃんと1個ずつ出てくれる。片手で開けて、片手で閉じて、そのままサイクルジャージのポケットに突っ込んでおける。
塩分補給のベスト解では?(自画自賛)
まとめ
1000kmという想像もつかない距離…
自転車旅にハマり、そのうち515kmを24時間以内で走れるようになり、さとるくんともロングライドに出かけて、えっちらおっちらと続けてきた僕がついに1000kmの舞台に。不安で仕方ないけど、絶対に達成できるって自分を信じて80時間以内に走ってきます!
応援よろしくおねがいしますー!!
では、出発だ!!!