朝、起床。
…うぬ?ここどこだっけ?
…そうか。青森だ!!
青森の下北半島に走りに来ていたんだ!!
下北半島のツーリング記事たちはこちらから~
10時間も寝れば頭もスッキリした!!前日は車移動の中で寝ていたからね。布団は全回復できる!!
一緒に旅しに来ていた大滝さんは、すでに旅立ったようだ。
「朝5時ぐらいから恐山に行ってくる!」って意気込んでいたっけな。いいなぁ、恐山。「この世の地獄」とも呼ばれる異世界の土地だ。ま、恐山はまたの機会に。再訪のお楽しみを取っておくのも、旅の楽しみ方だ。
今日のプランはこうだ。
むつ市から下北半島の東側を走ってみようと思う!八戸まで南下するよ!
右上の岬、尻屋崎に立ち寄ってみたい。そこに寒立馬(かんだちめ)がいるのだ!!なんでも下北半島でしか見られない貴重な馬らしい。あー、楽しみだ!!
よっしゃ、行きますか!!今日もご安全に!!!
むつ市を抜けると、のどかな景色に出会った。
菜の花だ!
青森では5月に咲くのね!けっこう遅咲きだ。(千葉ではお正月に咲いてたような…?)
天気がイイ。美しい山々が支柱になり、空を支えているようだ。
むふ~、最高の天気だ~
…ところが一転…!
霧の世界だ!!
これが青森の特徴なのかもしれない。すこし北上すれば霧に遭遇する。だが、霧も悪くない。
別世界を楽しめる!!
未知の世界に迷い込んだようだ。いい雰囲気!
お。
尻屋崎への看板だ!そこに寒立馬がいるはずだ!!
観光道路へ入ると…
うぉぉおおおお!!寒立馬がいたぁああ!!
霧のなかを颯爽と歩いてくるの、カッコ良すぎる。精悍な顔立ちだけど、どこかさみしそうな表情だなあ。
筋肉ムッキムキだな!!歩き姿からパワーが伝わってくる!パワー系か!
ずんぐりむっくりの体型をしているが、それもまたかわいく見えてくる。
どちらも“軽車両”というのが信じられない。
競争したら、ロードバイクなんてまるで歯が立たないぞ。
ちょいと移動すれば、霧が晴れている。ここにもたくさんの寒立馬が!
生後まもないだろう仔馬。おかあさんにべったりだ。
かわいいな、おい。
Q:そもそも寒立馬って?
A:青森県の尻屋崎周辺に放牧されている馬。寒気と粗食にも耐えられ、従順な性格であり持久力もある。
830年前に源頼朝の命により、駿馬の産地として隆盛を誇った土地がここ尻屋崎だ。
明治時代から品種改良され、いまや青森県の天然記念物に指定されている。すっごく昔から人に飼われ、時代を経るごとに逞しく進化してきた馬だ。人間とともに進化してきたと思うと胸が熱くなる。立派な馬だ。
黒馬も格好いいね!
ちなみに、一般道路とはこうやって区切られていた。
なるほど。これなら馬は通れないわけだ。「馬やシカは足のケガを恐れて、足場の悪いところに近づかない習性がある」と聞いたことがある。うむ、納得だ。
近くの休憩所で休む。そこにいい写真が飾れていた。
水浴び気持ちよさそうだね。
尻屋埼灯台を背景に、ハイチーズ!!
ちなみにこの時期、尻屋埼灯台は改修工事中だった。
2019/8/1には工事が終わるそうなので、また見に来よう!!きっと美しい灯台だろうね!!
寒立馬との別れを惜しみつつ、林の中を抜けていく。
あれは松の木、あれはシラカバの木、あれはタンポポ、あれは…また松の木。
眺めるものが草木しかない。おかしいな、海沿いを走っているのに?海見えないぞ!!なんでだ!!(死活問題)
あとから謎が解けた。下北半島の東側一帯は、防衛省の敷地なのだ。
なにかの試験場らしく立ち入り禁止なんだとか。くう…太平洋が見たかった!!
まったく海が見えず、諦めて草木を眺めつつ走る。植物が分かれば、林をもっと楽しめるんだろうなあ。植生とか地層とか山とか、少しずつ勉強してみるかなあ。
なんてのんびり考えていると。
はっ…!なにこれ!
牧場だったのか?長いこと使われてないバス停だ。
ここも過疎の土地なのか。牛や馬を飼っておく厩舎が半壊している。むかしはここに、牛たちがいたのかなあ。広い土地を見る限り。さぞかし大きな牧場だったのだろう。
…牛たち見たかったな…「うおっ!!」思わず声が出た。
牛だ。めっちゃ牛だ!
柵がなんにもないんですけど…?
大丈夫…?襲ってこない?
ロードバイクでも逃げ切れる自信はないぞ。牛の脚ムキムキだもん。貧脚なぼくが勝てるわけがない。ははは!
野生の牛かなと思ったけど、どうやらここは牧場の一部だったようだ。この奥にちゃんと厩舎もあった。いやぁ、びっくりした。
いくら林の中でも、ここは半島だ。細かなアップダウンが続く。登りはかるく立ち漕ぎで。下りはスカッと飛ばす。座って、立って、座って。ずっと同じ動きをしていく。楽しくなってきたぞ!目の前の坂を越えるマシーンと化すりっけい。
尻労!!尻を労るという、ローディーに優しい街に違いない!!
時刻はお昼過ぎだ。ご飯食べられるところないのかな。無いだろうなあ。
考えてなくとも感覚で分かる。次の街までは自販機すらないはずだ!!(この後20km漕いでも自販機なんてなかった)
仕方ない。補給食をもぐもぐ。カロリーメイトとスニッカーズうまし!
ここからは巡航モードだ。寄りたいスポットは見当たらないし、まだまだ距離は残っているからね!アップ、ダウン、アップアップ。ひたすら林、林、林。
ついに海きたか!!
と思ったら、ここは鷹架沼という沼らしい。この突き抜けるような青さで沼かよ!!
このあとはひたすら消化試合。無心でペダルを漕いでいく。
ようやくみつけたコンビニ。ローカル感あって好きよ。
店で買ったミルクレープを外でもしゃもしゃ食べる。店員さんが声をかけてくれた。
店員さん「すごいバイク乗ってますね。パーツ構成見せてください!」
ぼく「いいですよ~!」
ここからは自転車談義。パーツの使い心地、ホイールをオーダーメイドした経緯、今まで走ってきた土地の話などなど。しっかり話し込んでしまう。
さらにここからの道も教えてもらう。広域農道を走るのが早くて気持ちいい道らしい。ありがとうございます!!
まさかコンビニ店員さんとこんな楽しい時間が過ごせるなんてね。田舎のこういうゆるさ好きだよ、ほんとに。
ゴールは八戸だ!(八戸と書いて「はちのへ」と呼ぶの、今回初めて知った)
ラストスパート!!時速30km/hを下回らないスピードで駆け抜けていく。
夕食はTwitterで教えてもらった「サバの駅」さんへ。なんでも一風変わった料理が出てくるそうな!Twitterではこういう面白そうな情報もゲットできるのありがたすぎる。ごはん♪ごはん♪
あ、あいてないだと…!!これは仕方ない。ちゃんと調べていなかった僕が悪い。(Googleマップの”営業中”はもう絶対に信じない!)
こうなればツーリングの勘だ!勘で店を決めてしまおう。
Googleマップで軽く調べる!飲み屋さんばっかりで、食堂少ないな!!
もう行き当たりばったりだ。街のつくりを観察して走っていく。
おおおお!!
ここ、良さそうだ!どうやらお持ち帰り用のお寿司屋さんみたい。
でも店内にイートインスペースもあるぞ!やったね!
ラス1のパック寿司をゲット!ラッキー!!!
うむ、八戸のお魚たちだ。いざ、いただきまーす!!
うんま!!素晴らしいお寿司だ!!!大当たりだ!!1日ずっと補給食でやり過ごしていたからか、さらに美味しく感じる。うまうまうま!!あっという間に平らげてしまった。
八戸は海鮮以外もオイシイらしいので、再訪時にはまたいろいろ食べてみよう。
あとは終電にのって帰った。
行きは大滝さんの車で8時間かかったのに、新幹線は速い!!
それでも結局、自宅に着いた時には日付が変わっていた。
金曜の夜に出発して、月曜になった瞬間に帰宅した。たった2日間でもこんなにもたっぷり遊べるだなんて、最高に贅沢だった!!
いっぱい遊んで、いっぱい楽しんだぞ!!
こうして2日間340kmの旅が終わった。
青森、最高じゃないか!!
おわり。