うっおおぉぉおおお!!
キレイだ、ほんとうにキレイだ。
ここは5月の青森県。下北半島の山から海を眺められるとは…!!
前半の記事はこちらから!!
赤線が走ってきた道。青線がこれから走る道。ここまでで65kmほどかな。あとは105km漕ぐだけ。
よく晴れた空、新緑の山、白い雲。
どれも一級品のように美しい。三位一体でよく調和している。山から見下ろす景色は大好きだ。
容赦のない10%勾配の坂を登る。
電柱と比較すれば、かなりの勾配だとわかるはず…でも、景色がきれいだから問題ないね!
ここは海峡ラインと呼ばれる道路。晴れた日には津軽海峡が見えるんだそうな。今日の雲海もきれいだから全然問題ナッシング!!
ここへは、会社の先輩の大滝さんとツーリングに来ていた。
大滝さんのダウンヒルはやい。。。さすがはオフロード出身者だ。
オフロードをやっていた人は、バイクコントロールがうまいと思う。重心移動だけでカーブを描けているし、段差をジャンプするように越えていくし、ブレない走り方もできている。めちゃくちゃ勉強になる。ぼくもそろそろオフロード車が欲しくなってきたぞ…!
大滝さんとゆるゆる雑談していると。
タ、タヌキだ!
人っ子一人いない。自然が支配する世界に身を置いているんだと、ひしひしと感じる。ぼくら人間側が自然界にお邪魔している感覚になる。この後、熊のうんこも見つけて、めちゃんこ恐ろしかった…あれは新鮮なうんこだった。ひぇー!
それにしても天気がイイ。5月の青森でも汗が出てくる。自転車に汗が落ちていく。ボトルを1本しか持ってこなかったのが悔やまれる。水分が足りていない…!!コンビニはおろか自販機も無い!どういうことだってばよ!!干からびるっ!!
大滝さんも水不足だそうだ。まだまだ終わらぬ坂に2人で戦慄する。
どこかに湧き水でも出てないものか探しながら、ヒルクラムをする。あぁ、水…みず…。
大滝さん「仏ヶ浦(ほとけがうら)という名所にいってみよう」
ぼく「なにがあるんですか?」
大滝さん「下北半島のすべてだよ!」
ぼく(なんかよく分からんけど、観光地なら水を手に入れられるかも…)
ひとまず、ここが下北半島の最大の見どころらしい。
はぁ、はぁ、はぁ…息が切れる。いくつのアップダウンを越えてきたのか、今や分からない。ただ山のずっと奥まで来たことだけは確信できる。
大滝さん「ここ!仏ヶ浦だよ!!」
ぼく「うおおおおおおお!!(やった!水が飲める!)」
だだだだ!足早に水場を探す(ここになければ、海いって海水でも飲んでやろうか)。どこだどこだ!駐車場には水場が見当たらないぞ!!
あ!!!!
自販機だ!!…水分だ!!文明だ!!いやっほうう!!
しかも小岩井のぶどうジュースが!大好き!!
ごくごく…かーー!おいしい!!喉が潤うってこんなにも幸せなのか!!あぁ、最高!!
ふー、やれやれだ。ひと息つけた。人間に水分は必須!(断言)
150mぐらい降りれば、仏ヶ浦にいけるらしい。
アトラクション感覚で階段が設置されてて笑った。
どーーーん!ここが仏ヶ浦だ!!
左下にいるのが人です。どうです、スケール感覚が狂ってくるでしょ。
岩の造形に最近ハマっているので、もう眼福ものです。
色味の違い、表面の穴の開き方、クラックの大きさ。もうずっと見ていられる。
すこし角度を変えれば違う顔を見せてくれるので、飽きない。頭の中で妄想する。
どうやってこの岩ができたのだろう。下北半島が突飛な形をしているから、もとは山で海に沈んだろうか。そのときに山の岩も海水に晒されたのかな。波しぶきを浴び続けれて、こんな形になったのかな…。上のほうがギザギザしているのはなんでだろう…?
こんな妄想が楽しい。正解はあえて調べないスタイル。
少し奥に移動すると。
うわあああああああ!!!でっかあああああいいいい!!
まんなかに、人がいるでしょ。
その人がこのサイズになる。もう頭の処理が追い付かない。デカいにもほどがある。
ほんとに人間はちっぽけだし、地球は偉大過ぎる。そんな当たり前のことに気づかせてくれる。
霧が晴れた瞬間に、屏風岩が現れた時には心底驚いた。
巨人が目の前に立ちはだかってくるような感覚に陥った。
山の中から突き出してくる、おてんばな岩たち。かわいいかよ。
ちなみに、ぼくが選ぶ1番エロい岩肌はこれでした。
えっちすぎる。
仏ヶ浦を堪能した。いいぞ、仏ヶ浦はめっちゃいいぞ。大滝さんの言う「下北半島のすべてがここに詰まっている」って意味が分かった。ここに来れば圧倒的自然を体感できる。最高でした。(霧が晴れた仏ヶ浦にも来てみたい)
この仏ヶ浦までのアクセスは、船でも来れるみたい。(むしろ船使う人のほうが多かった)
必死こいて山を越えなくともラクに来れる便利な乗り物。
観光船のリンク貼っとくので、気になる方はどうぞー!仏ヶ浦の観光遊覧船
さあ、お昼ご飯だ!!この旅の最大のお楽しみ!!ウニ丼だ!!ウニ丼を食べに行こう!!!いやっほぅ!
ダウンヒルをこなしていくと、
ここだ!ぬいどう食堂さん!!
店員さんは、いかにも食堂のおばあちゃんといった風貌だ。
おばあちゃん「いらっしゃい。予約してるの?」
ぼくら「え、予約してない…(まさかの食べれないパターン?)」
おばあちゃん「うむぅ。ならウニ丼は無理かもなぁ…もう残っとらんかもしれん」
ぼく「なんとか!!なんとかなりませんか!!!これを食べるために来たんです!」
おばあちゃん「よし、出せるよ!食べていきな!」
ぼくら「やったー!!」
おばあちゃんのご厚意で、なんとかウニ丼を出してもらえることになった。ありがとうございます!
ここ下北半島。その西端に位置する佐井村。ウニが育つ漁場を持っていて、毎朝水揚げをしているみたいだ。しかもシーズンが4~8月というね。5月はピッタリの時期だ!!
佐井村のウニが楽しみだ、と話していると…
キターーーーーーーーーーー!
器一面に敷き詰められたウニだ!!てんこ盛り!!すっごい!!
いただきますっ!!
うんっめぇぇええええええ!!!なんじゃこりゃぁあああ!!
ウニじゃない、これ絶対ウニじゃない。少なくともぼくの知っているウニではない!
まったく新しい食べ物だ。口に入れると、ふわん、と消える。ウニ特有の臭みがなく、味も無味だ。なにこれ。よくよく味わってみると、ウニの奥のほうに「海の旨みエキス」がかすかにいる。それが堪らなく美味い。磯の香り、柔らかな舌触り、ふんわりした風味。醤油なんて全くいらない。全く知らない”ウニ”がここにあった。
「うまぁ!!これめっちゃオイシイですよね!!」と喜んで食べていたら、向かいのお客さんにニッコリ笑われた。「いいもの食べれてよかったね」という表情だった。なんか童心に返った気分だった。
「五臓六腑に染み渡る…」と大滝さんも満足そうだ。大滝さんは以前にもこの佐井村のウニ丼を食べたことがあるそうな。前食べた時にはすこし甘味が強かったらしい。時期によって味が変わるのかもしれない。そういう楽しみ方もいいなあ。また食べに来たいな。
こんなにもオイシイ海鮮にはもう出会えない気がする。それほどにズバ抜けた美味しさだった。ほぼ無味無臭なのに、とてつもなくオイシイ。これがどれほど貴重な経験なのか、味覚で理解できた。すごすぎるぞ、佐井村のウニ!!これで1,500円だから安いにもほどがある。もう無料だ、無料。フリーウニ丼。
みなさんもぜひ青森へ行くことがあればウニ丼を!ちゃんと予約していこうね!!
あとは本州最北端を目指すのみ!!
海霧は美しい。
90kmほど漕いでいただろうか。突如、その場所が現れた。
大間崎!!ここが本州最北端の地だ!!!
やったね!!(おおまポーズ)
遠かったよ!!ロードバイクに乗っている人は、ぼくら以外に一人もいなかった。いやぁ、うれしいもんだね。本州の端っこまで走ってこれると感慨深いものがある。
この海の向こう側には北海道がある。未踏の土地に胸が熱くなる。いつか北海道で旅をするんだ。ロードバイクに乗って、自然を駆け抜けて、街を渡り、おいしいものを食べるんだ。
ただここ大間崎は観光スポットとして、ちと微妙だった。
霧で景色が見えなかったのもあるけど、店が並んでいるだけだった。その店も16時でほど閉店状態。
かろうじて空いているお店で、マグロの心臓の串焼きをいただく。
おみやげ屋さんメインだと、ロードバイク乗りにはちとツラい。補給できるお店、写真スポットがいっぱいあればよかったかな(ほかにいいスポットがあれば教えてほしい)。
まあ、とてつもなく寒かったので、長居できなかった。冷たい風がビュービュー吹いていた。これが津軽海峡の洗礼か!!昼間は暑くて仕方なかったのに!!
移動じゃ移動!!のこり80kmはひたすら巡航モードに切り替える。
なにこれ、終末旅行?ひとけが無さすぎる。
向かい風の吹くなか25km/hでたんたんと走り続ける。前半の山々で足を消耗してるので、意外ときっついぞ!!ごうごう鳴る風にも耐えること2時間ぐらい。
休憩中にチョコ食べてたら、
サルに狙われて焦った。10頭ぐらいの群れでいた。さすがは下北半島。
その後、さらに2時間ほどかけて…むつ市にゴール!!
これにて下北半島一周を達成!!!やったーーー!!
いやぁ、たのしいコースだった。景色に恵まれ、ご飯に舌鼓を打ち、トラブルも運よく乗り越え…ああいい一日だったな。
次回青森ツーリングの2日目!