【東北ライド4】宮城の海を見たら、色々考えさせられた話

ロードバイク

ぱちり。

気持ちよく目が覚めた。

 

ネカフェの天井が、ぼくを迎えた。

つい夜遅くまでマンガを読んでしまった。睡眠時間は充分じゃないけど、目覚めは良かった。

 

 

さて今日、目指す先は太平洋\( ‘ω’)/

宮城県の沿岸部を走ってみたかったのだ。

 

 

しかし、「宮城県の沿岸部」

 

そこは震災により、かなりのダメージを負った土地である。いままで訪れたことがなかったけど、東北に住み始めたのなら、いつかは行ってみたいと思っていた。

(だけど、こんなにも早く実現するとは笑)

 

 

ってことで岩沼市へ向かう。 

走り出してすぐに見つけた。

 

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津波の被害を受けた場所だ。

 

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以前は住宅が立ち並んでいたようだが、

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現在は何も残っちゃいない。

 

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いまも残る鉄塔。その根元。

 

いかほどの衝撃を受ければこんな折れ方をするんだろう。まったく想像ができないような事態だったんだなあ。

 

 

初めて津波被害の一部を見て、「ここからは覚悟して見ておかないとな」と自然と身が引き締まる。

 

 

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ただ広い。

 

建物も電信柱もない。なんにもない。

 

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土壌をショベルカーが掘り起こしていた。掘り起こされた土はダンプカーへ入られてる。土を全部入れ換えるんだろうか?

 

塩害で田畑には不向きな土地に変わってしまったのだろうかと考えてしまう。

 

 

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あまりにも寂しい。と感じた。

 

いままで動画や写真で見てきた被災地と違った印象を受けた。復興は今も進められているし、まだ終わってはいないんだ。

復興は進んでいるが、活気という言葉を感じることがない。なんでだろう。

 

 

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海沿いの道には通行止めがあちこちに立っていた。 

 

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ここは「千年希望の丘」

 

ガレキをベースに造られ、遺構の保存や震災の教訓を発信する場所。非常時には避難場所にもなる。こういった丘があちこちに建てられていた。

 

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丘に登ってみた。

 

穏やかな太平洋が望める。いつでも穏やかであればいいのにな。

 

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かなりヘビーだ。

はっきり言って、重い。

 

ここにいると、ついつい考え込んでしまう。

 

海を眺めながら、頭の中で、当時の映像を再生する。シミュレーションしてみる。

 

 

どれほどの揺れが起きたんだろう。どれほど怖かったんだろう。

 

どんな波が来たんだろう。どんな気持ちで避難したんだろう。

 

震災後、これまでの7年間は、一体どのくらい大変な7年間だったんだろう。

 

 

 

たくさんの「もしも」が思い起こされて、悲しい気持ちになる。

 

 

ここには精神的にキャパシティがあるときに来るべきだ。かなり重く感じてしまうし、頭の中で整理できない事象に混乱してしまう。

 

 

 

他にも考えてしまう。 

ぼくは自然の風景が大好きで、色々写真を撮ってきた。

 

特に人の手が加わった絶妙なバランスの自然が好きだ。

 

大きな力を持つ自然に対抗しようとする人間の努力が好きだ。田んぼを作り、家を建て、ビルを建設する。それでも自然には全然敵わない。

「畏敬の念」ってこのことなのかな。

 

 

ぼくが出来ることはなんなんだろう?

と、おこがましくも考えてしまう。

 

……。

うん。

 

まあ、ひとつの答えとして、

いまぼくにできることは、地元のお店にお金を落とすことだ!(確信)

復興を直接手伝えないけど、お金は地元に払っていこう。

 

 

そうと決まれば温泉とご飯に行ってみる!

 

辛い気持ちを切り替えていく。

 

 

震災のことはゆっくり考えてみよう。またここには来てみよう。

 

 

ぼくはそそくさとその場を後にした。

 

 

東北ツーリングではお馴染みの温泉へゴー!

 「わたり温泉鳥の海」というところへ。

 

10時開店のタイミングぴったりに到着できた。一番乗りで露天風呂へどぼーん!あぁ、きもちいい(*´ω`*)

 

景色も抜群にいい。左手には太平洋が、右手には「鳥の海」という人口湾がよく見える。

大変に素晴らしい温泉でした。

 

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ロビー。

 

これだけの胡蝶蘭があればZONDAホイールが買えるんじゃ…?

 

 

ご飯はすぐ隣の「荒浜にぎわい回廊商店街」へ。

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やたらと新しくて綺麗だ。

 

商店街(店は6つぐらい)の中から海鮮の店へ突撃! 

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漬け丼(*ノ・∀︎・)ノ

 

あああああ、うまいよ…うまい!!

薄切り鯛の身が締まっていてプリプリしてるっ!漬けダレも絶妙で美味。たまごを潰すとマイルドになって、これまたうまい。

 

ひとりでご飯を食べているので店内の会話が耳に入ってくる。店のおばちゃんたちは震災で店が変わってしまってどうだこうだと話していた。

 

震災かー。

 

そういえば、さっきの温泉でも地元のおっちゃんたちが津波の話をしていた。ここで暮らしてきた人たちにとっては、震災は身近な事実なんだろう。

 

 

丼にごちそうさまして、お会計。

お店のおばちゃん「味はどうだった?」

ぼく「!?  おいしかったですよ!!ごちそうさまです」

 

味のコメントを求められた笑

こんなことは初めてだけど、まっすぐ聞いてもらえるとこっちも素直に話せる。距離感が近くていい店だ。

 

 

 

 太平洋を見るために南下する。

 

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重機があちこちで動いていた。

 

防波堤作りに励んでいるようだ。

7年経ってもやることはいっぱいあるんだ。

 

 

道中、ショッキングなものが。

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小学校が荒れまくっている。

 

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土の仮置き場に使われているみたいだし。

 

 

調べてみると、この中浜小学校は震災遺構保存の場として整備が進められているらしい。津波によってどれだけの被害を受けたのか、形にして残すらしい。2020年に公開されるようだ。

 

整備途中だったのか、驚いたよ。

2020年に再訪しよう。

 

 

頭の中でぐるぐる考えてたら

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ついた!浜!

 

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うおおおおお!空も綺麗なんじゃ!

 

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荒れてる太平洋だ!

 

 

ぼくはどんな海を見ても全然飽きない。海見るためにロードバイクで100km漕ぐのも苦にならない。海は好きだ。ずっと見てられる。

 

 

でも…

海が人間や動物が住む世界へ襲いかかることもある。人間が抗えない力を持っている。これまでもそうだったし、これからの未来でも自然は人間を脅かし続けるのだろう。

 

あと関係ないけど、

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ポスターみたいな写真が撮れた笑

 

 

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防波堤の先には何があるんだろう?

 

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行き止まりでした(´▽︎`*)アハハ

 

 

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折り返して北上する。

 

50km先の仙台までひた走る。

追い風に乗って30-35km/hペースで走れた。やったね!

 

ただこの海沿いの道も、誰かがガレキ除去や整備をしたくれたから走れているだけなのだ。本当にありがたい。と思いを巡らせる。

 

無事に仙台駅に着いて輪行で帰る。

 

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ツーリングの締めにカツ丼とそば!

カロリー倍プッシュ!

 

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夕刻の空が美しい。

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今日1日も平和でいい日だった。

 

 

被災地は想像を越える場所だった。生々しい被害はもう残っていないが、復興途中の街をみると考えさせられる。これから街はどうなるんだろう。

 

またあの沿岸部へ行ってみようと思う。

 

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おわり。