【新潟旅】まずは徹夜で150㎞走ってみた【前編】

202008新潟

またも“欲望”ってヤツがやってきた。

とある日のこと。

欲望『ねえねえ、新潟いきたくない?(唐突)』
ぼく『おお、いいね。けど遠いし、電車でも行きにくいんだよね〜』
欲望『いやいや大丈夫だよ。新潟には、美味しいお米と魚、綺麗な日本海だってあるんだよ?』
ぼく『うっ…!それは聞き捨てならないな』
欲望『ねえ、新潟いきたくない?』


ぼく『…3連休とるか』
欲望『うらっしゃああい!!』

えぇ、欲望の言うがままに新潟旅が決まりました。いいんです、いつもこんな感じでふわふわと旅が決まるんだから。

よし!新潟へ行くぞ!!

ぼくの住む山形から新潟までは150kmほど。
電車だと5時間かかるから、行きは自転車で行ってしまおう!

さあ、出発だ!!

すっかり暗くなった道を駆け出した。

ふっふっふっ!

テンションが上がる!!ナイトライドが好きなもんだから、静かな夜をひとり走っていくことに気持ちが高ぶる。

時刻は22時半。今夜は徹夜で走りきるつもりだ。


湿気をじっとりと含まんだ空気が体にまとわりつく。昼間の熱気がまだ残っているみたいだ。それでも駆けていく気持ち良さの方が上回っている…!!ナイトライド気持ちいいー!!


家から半径50km圏内はほぼ庭みたいなもん。快適なルート取りでどんどん進んでいく。

24時を過ぎると、さすがに眠たくなってきた。仕事終わりでそのまま走ってるから仕方ない。

コンビニで少し仮眠しよう。

駐車場の端っこをすこし借りて横になる。目を閉じると、心地よい眠気がやって来る。

スマホで30分のアラームをかけて、おやすみなさい。

にゃーーーお。

ん?

にゃーーーー。

声のする方へ目を向けると、猫がぼくを見つめていた。

…なんなんだ…?

寝ぼけたアタマで状況を理解しようとする。

「なに?あなたの縄張りだったのかしら。邪魔してごめんね?それともエサが欲しいの?」と思っているうちに猫はどこかへ行ってしまった。

『わざわざ起こしに来てくれたのか』と1人で結論づけて納得する。15分ぐらいしか寝れなかったけど、頭は冴えてきた。

まだ道のりは100km以上ある。もう少し走ってみよう。

今回はキャンプ道具を持ってきてる。この徹夜ライドで『眠くて眠くてヤバい!寝たい!』となった時用の対策だ。野宿する方法もあるけど、ぼくは得意じゃない。全然寝れないし。

『野宿しなくても、どこか道の駅でテント泊すればいいか』なんて考えれば、気持ちに余裕が持てる。ドンと来い、眠気!


ほんとクルマ少ないなー。

今回のルートは小国峠を越える113号線ルートだ。

仙台市↔️山形市↔️新潟市という“南東北を横断”できる数少ない道路のひとつ。

いつもは交通量が多い道だ。
Twitterのフォロワーさん情報では『トラックが多すぎる』『1度通っただけで嫌になる道』『ただ危ない道』なんて評価されてる。

それを知ってたので、深夜2時に通過できるよう調整してみたけど、逆にだれもいないのには笑った。


5分に一度クルマが通ればいい方。

予想以上の走りやすさに驚きながら、坂を登っていく。


ちょっとトイレ休憩。

うん?『峠の茶屋』という看板が出ている。いままでツーリングして来て気づいたことがある。全国各地に『峠の茶屋』を掲げる休憩所はあるが、どこも峠の最高標高点にあることが多い。

昔からの峠で、ひと山を越えるため名前の通り茶屋が営まれていたんだろう。

きっとここも最高標高点のはずだ。そんな淡い推測をもって自転車にまたがる。さて、このあとの道はいかがなものかな。

びゅぅぉおおおおん!!(下り坂)

あ、やっぱり!ここからは下り坂だ!しかもぼくの好きな緩いタイプの下り坂だ!いやっほい!!

この峠、トンネルがたくさんある。最近はめっぽうトンネルに目がない僕としてはつい立ち止まってしまう。

おぉおぉぉ!!カッコイイね!

天井の配管が、龍の背骨みたいだ。巨大な人工物ってだけで、大いに価値があると思う。こうなんていうか、うずうずしてしまう。

下り基調の道を危なげなく走っていく。

今回から導入したGVOLT70というライトがめちゃくちゃに優秀だった。大光量で見やすく、夜間走行の安全に寄与してくれた。いいライトだったので、また感想を記事にまとめてみよう。

ちょうど山を下った頃…

空が白み始めてきた!!

うぉおおおお!!太陽ぉおおお!!

眩い光が、モノクロの世界を色づかせてくれる。この朝日が昇る瞬間が好きだ。

夜を越えたことを祝福してくれ元気づけてくれる。昔の人が太陽を崇めていた気持ちもよく分かる。光があるってだけでこれほど安心するものは無い。

ぐーーー。
お腹がすいてきた。安心したからなのか、身体が朝だと勘づいたのか、カロリーを欲していた。

食いつないできた補給食はほとんど残っていない。残り20km。自販機で買ったオレンジジュースでお腹をごまかしながら、ラストスパートをかける!

目指す先は快活CLUB(ネカフェ)だ!
宿にもなるし、ご飯だって提供してくれる。

そろそろ眠気が強くなってきたのと、お腹を満たしたい一心でペダルを踏みこむ!


ゴール!!


新潟県の新発田市まできていた!

150kmを徹夜で走破した!無事につけてやれやれ。気が緩んだ途端に、ドンと疲れがやってきた。身体にも無理をかけていたらしい。

快活CLUBでゆっくり休もう。

シャワーを浴びて、新しい服に替える。これだけで気分はシャッキリする!

食べたかったご飯にようやくありつけた!!

快活CLUBありがとう!!


お腹を満たしたぼくはぐっすり眠るのであった。

明日から日本海を旅するぞ!!

つづく

後編:【新潟旅】果てしなく続く青色の世界を駆けていくのが楽しすぎた話【後編】