さぁ、ホイールのお話だよ!!
REYNOLDS ASSAULT(レイノルズ アサルト)というホイールを紹介しよう。
ホイール好きな人から、やたらと評価が高い逸品。
以前にも感想記事を書いていたが、本音は…『いいホイールだ!けどロングライドには微妙に合わない!!』だった。
ガッと踏めば応えてくれる分、パワー消費が激しい…!貧弱な私にはとても踏めるホイールではなかった。Dura-Ace C24という超優等生ホイールがメインなので、しばらくは物置へ。。。
~1年後~
Dura-Aceにも乗り飽きて、久々に引っ張り出してみると『あれ?めちゃんこ乗りやすいんじゃない?』と気づいた…!
巡航性能、安定性、快適性…。
うん、素晴らしい。この1年で脚力も多少はついたので、ホイールに足を持っていかれなくなった!
ためしに、ゆるキャノボ(530km/36h)にも投入してみた。結果的には大正解!!
高速域のパワーロスの少なさ、安定感のある走り…!ホイール性能に助けられる場面が何回もあった。
とんでもなく優れたホイールだったのかもしれない…。
ってなわけで、もう一度感想記事を書いてみよう。
比較対象は
・SHIMANO Dura-ace C24(山岳向き軽量ホイール)
・PAX CYCLE オーダーメイド(長距離向き快適ホイール)
の2つだ。
さあ、いってみよー!
基本スペック
REYNOLDS ASSAULT SLG Clincher Tubeless Carbon Road Wheelset 2016
ざっくりスペックは…
・カーボンクリンチャー(チューブレス対応)
・リムハイト 41mm
・リム内幅17c
・重量 1515g
・シマノ11速フリーボディ
41mmハイトってのが絶妙。流体力学の恩恵を得られつつも重すぎない。いい塩梅とはこのこと。
あとネーミングも面白い。
社名である“レイノルズ”
流体力学を学んだことある人なら『あぁ、レイノルズ数か』とピンとくるかもしれない。流体のモデル式に利用される無次元量のことだ。流体力学の理論を掲げるホイールメーカーなんてそうそうないぞ。
ホイール名の“アサルト”
「急撃、強襲」といった意味。荒々しい場面で使われる単語だ。それほどに攻撃的でマッシブな仕上がりになっているのだろう。面白い。
ホイールに何を求めるのか
ホイールの役割はたくさんあると思う。駆動、操舵、振動吸収、制動、デザイン…などなど。
ぼくのメイン用途はロングライドだ!求める性能はこんな感じ。
・堅牢性
→故障しないこと。No More トラブル!
・快適性
→数百km走っても疲れたくない!(無茶)
・登坂性能
→いかに楽に登れるかでロングライドの質は変わる。
・巡航性能
→走く走れれば、さらに遠くまで行ける!
・価格
→高すぎないこと=大事。
乗り手のスペックとしては、身長178cm体重60㎏の軽量級。
パワーがない分、だらだら長い距離を漕ぐのは得意。では、実走2000kmで分かった長所と短所を紹介していこー!
長所①高速巡航性能
一番の特徴を挙げるなら、巡航性能だ!
どのスピード域でも、無駄なく滑らかに加速してくれる。
停止からのゼロ加速には驚いた。軽量ホイールのDura-Ace C24と遜色がないレベル。足が削られやすい加速シーンでも助けてくれる。
さらに35km/hまではあっさり乗せてくれる。足を振り下ろす瞬間に、ちょっと力を入れてやればグングン伸びる。ここが最も気持ちいい瞬間だ。ぐいーーーん!!!とどこまでも速度が上がる。あとは、くるくる回しておけばスピードが落ちない。いい意味で手抜きができる。
ビシッと応えてくれるホイールだ。
「Dura-Ace C24 32km/h=アサルト 35km/h」
24mmハイトのDuraは高速巡航が苦手だった。41mmハイトは、その不満を埋めてくれる。脚を消耗しない理想通りのロングライドができる。
とくに得意なシチュエーションは、追い風と下り坂だ。一度ゾーンに入れば、もう止まらない。ビュンビュン進んでくれる。緩い下り&追い風の田舎道をツーリングしていたときなんて、2時間で68kmも進めていた。とんでもねえや!!それぐらい高速移動を得意とするホイールなのだ。
長所②長距離安定性
長距離安定性…。この感覚を、言葉で説明するのがムズかしい。
あれはゆるキャノボをしている時に感じたことだった。30時間かけて400km以上走ってても、まだまだ32m/hペースで走り続けられた。私の脚力が強いわけではない(重要)。乗るほどにシンクロ率が上がり、最小の労力でスピード維持できるようになったのだ。
直進安定性から寄与されるブレの少なさ。
これが、長距離安定性の根幹かもしれない。リムの精度、20/24(Radial/Radial-2x)というスポークの組み方、そしてリムの形状。どれをとってもバランスに優れ、スピードと安定性を確保してくれる。
とくにリム形状が独特だ。レイノルズホイールの秘密がここにあるらしい。
このニップルホール近くが隆起している。
SLGテクノロジーと呼ばれて、回転中に渦流を発生させてるそうな。空気抵抗を削減する効果がある。真正面からの風はめったになく、たいていは斜め向かいから吹いてくる。風をいなすして整流させるために、あえて隆起を設けているんだとか。設計思想をそのまま形にしている。乗っていてもわかるレベルで、空気を切り裂いている感覚が伝わる。
う~む。さずがはレイノルズさん。流体のことをよくご存知だ。
それにしても。このアサルトホイール。どれだけのポテンシャルを秘めているんだ。
長所③登坂性能
カッ!カッ!カッ!とダンシングすると、ほどよくたわみリズムを作ってくれる。
ガチガチではなく多少やわく設計されている。登りでも脚を使い切らない。山岳用ホイールと比べれば、キレに曇りがあるけど十分に合格の範疇。シッティングでくるくる回すのも気持ちいい。
カーボン素材のリムの利点は、外周部の軽さだ。アルミリムは外周部分に重量が偏りやすいが、カーボンリムは重量が分散される。リム重量445gとあるが、アルミリムで感じる重量感とはまた違う。バランスが取れたフィーリングで、登っていてもリム重量はさほど気にならない。15%の坂になればさすがに重たくなるけど、そこはご愛嬌ということで。
またブレーキ面にも一工夫が。「Ctgブレーキングテクノロジー」が組み込まれていて、専用ブレーキシューを使えば放熱効率も格段にイイらしい。カーボン素材のリムの弱点を少しでも補おうとする技術力の高さは申し分ない。
巡航性能、安定性、そして登坂性能。41mmハイトが絶妙だと思える理由がこれらだ。
短所 リム=カーボン
…と、ここまで良いところばかり書いてきたのでデメリットも紹介しておこう。
それは…。
カーボン素材のリムは、気を遣う!(断言)
「んな、無茶な!」って話だ。
アサルトの長所はすべてカーボンに起因する。リムハイト41mmでリム重量445g。さらに空気抵抗を削減するSLG形状を作っているのはカーボン素材ゆえだ!
だけど、やはり摩耗部品にカーボン素材とは、気を遣うのである。
濡れると滑って、制動力が落ちる。熱割れを起こすので、暑い日のダウンヒルは休憩しながら降りる。衝撃に弱いので輪行には慎重になる(それでも飛行機輪行したけどね)。クラックがあれば、内圧で割れることもある。へたるスピードも金属よりは早いと言われている。
これらの欠点はアサルトだけじゃなく、カーボンリムを採用しているホイール全般に言えることだ。
逆に「アサルトだからこそのデメリットは?」と聞かれると、「…なくね?」と正直に答えるしかない。見た目もいいし、18万円あれば買えるのでそう高くはないはず。「しばらくは他のホイール買わなくてもいいな」と機材欲が消えるのが、欠点といえば欠点かな。それぐらいドンピシャにハマった。ある程度の脚力のある人なら、きっと満足できると思う。
欲を言えばリムブレーキじゃなくて、ディスクブレーキのアサルトが手に入れば完璧だ。カーボンリムのデメリット全消しだ!!うん、それがいいな。そのために、まずはディスクロード買わなくっちゃ!
まとめ
機材は面白い。
どんなシチュエーションでも弱点がなく、基本スペックを満たしている。いや求める以上にいい仕事をしてくれるのが、このアサルトホイールの特徴だろう。
ロングツーリングにもヒルクライムにも、長距離一発ライドにも適応してくれる。きっとレースやクリテリウムでも活躍してくれるだろう。苦手分野がないというのは大きなアドバンテージだ。
見た目も性能だ!かっこいい!!
うーん、もう欲しいホイールがなくなってしまった(切実な悩み)。Dura-Ace 24とアサルトホイールがあれば、どこへ行くにも不満がない。次を買うならまたオーダーメイドするか、ディスクブレーキホイールしかないなあ。究極のハイエンドカーボンクリンチャーならこれ一択な気がする。レーゼロカーボン、BORA ONE、Rolfとかも試してみたいけど、買うならディスクがいいしなあ。あ~、なやむ~~!
と幸せな悩みを与えてくれるのが、REYNOLDS ASSAULTだ。みなさんのバイクにも導入してはいかがでしょう?
Wiggleサイトはこちらから
ほかにもホイールの感想記事を書いているので、読んでみてねー!
・Dura-Ace C24
・PAX PROJECT(オーダーメイド)
おわり。