【自転車旅×宿】楽しかった宿のエピソードを紹介!【人との出会い編】

ノウハウ

宿はいい…。

宿の出会いは、面白いことばかりだ。うれしいことがあったり、失敗したり、色々あった。今回の記事では、実際出会ってきた宿のエピソードを紹介してみよう。

前回記事、宿選びの方法まとめはここから読めるよ!

面倒見のいいおばちゃん


石川県の金沢から名古屋まで縦断ライドしてたときのこと。

誰もいない夜道を走って、ようやく…

お宿に到着!!

ぼく『こんばんはー』
おばちゃん『あら、いらっしゃい!』
ぼ『自転車で来たんですけど、軒下においてもいいですか?』
おばちゃん『ひぇえええ!自転車で来たぁ!?』
すっとんきょうな声で驚かれた。

ぼく『まあ、来ちゃいました笑』
おばちゃん『こ、高校生…?』
ぼく『一応、社会人なんですが…(焦ったおばちゃんかわいいな)』

おばちゃん『はぁ、すごいねぇ…』
ぼく『もしかして自転車で来る人いないんですか?』
おばちゃん『何年か振りだよ〜。お風呂湧いてるから、入っておいで!ほかにお客さんもいないから一番風呂だよ!』
ぼく『ありがとうございます〜!』

人のよさそうなおばちゃんに出迎えられて、旅館に上がっていく。いかにもな古い建物で“田舎のおばあちゃんち”の雰囲気たっぷり。

お風呂は昔ながらのスタイルで、タイル張りの浴室と小さなバスタブ。そして、熱々のお風呂。とてもじゃないが熱くて入れないので、ガッツリ水を入れる。古い旅館ほど湯温が高い気がするなあ…なんて思いながら、リラックスする。窓からのぞく夜空はなんだか美しく見えた。

ぼく『お風呂頂きました〜』
おばちゃん『はいよ〜。それにしてもよくこんな所まで来たね…明日の朝おにぎり持たせてあげる!(ニッコリ)』
ぼく『やったーー!』

こういう気遣いが嬉しい。素泊まりなのにサービスしてもらえる!ありがとうございます!

その後も「晩御飯は食べたの?」「食べましたよ」「それでもお腹が空いてないんか?」「お腹ハチ切れるほど食べてきました」などと気を遣ってくれる。この晩は親子丼3人前を食べていたので、とてもご飯をいただける余裕がなかった。でもこうして気にかけてくれる心意気ってのは、一人旅をしている身に沁みたりするんですよ。一抹のさみしさを埋めてくれるような、くすぐったいような気持ちになる。ありがたいことだ。


就寝

次の日。
おばちゃんからやけに重たい袋をもらう。これにおにぎり入っているから、持っていけとのこと。ホントにありがとうございます!

雨の中、見送られながら宿を出た。こうして「誰かに見送ってもらえれる」のは好きだ。なんだかうれしくなる。

しばらく漕いだところで休憩。もらった袋を開けると…

でっかいおにぎりが!!3つも!!


混ぜご飯で、梅干し入り。

ふわっと炊かれたご飯粒がなんともおいしい。ごまとゆかりが混ぜられていて、口いっぱいに幸せの味が広がる。誰かが握ってくれたおにぎりはおいしい。ひとつだけ頂いて残りはバッグに詰め込んだ。また後で食べよう。。。

旅館に行くとお菓子やみかんを貰うこともあるけど、おにぎりを貰うのは珍しい。「自転車旅、楽しんでいきなよ!」って送り出してくれて、おにぎりまで持たせてもらえる。あぁ、こんな出会いも旅の醍醐味だなあ。

行き当たりばったりの温泉旅行

つぎは僕の失敗談を紹介しよう。笑って読んでくれたらうれしい!

あれはクルマで旅行しているときだった。

山形県のずいぶんと山奥にある“肘折温泉”という秘境を訪れていた。

夕方の5時半。お宿に到着。
ぼく『すみません、予約していた○○です~』
宿の人『○○さんですか?…あれ?予約が…ないんですが』
ぼく『ふぇ!?』

そんな馬鹿な!と思って、ネットの予約履歴を確認する。

予約を失敗してた。。。

おそらく最終確認画面で「はい」を押し忘れていたようだ。なんてこったい!!!

これには焦った。

この旅館には部屋の空きはもうないという。宿を確保したい!幸い温泉街なので宿はいくつかはある。ネットで見つけた順で電話していく。

「今夜、素泊まりでもいいので泊まれますか?」とムチャなお願いをしていくが、どこもいっぱいだと断られる。もうだめか…。旅行は中止かな。なんて思っていたところ、「いいですよ、部屋空いてますよ」と答えてくれる旅館が見つかった!!ありがてえ!!


すぐさま転がり込んで、なんとか寝床を確保した!やったね!

宿のご主人にお礼を伝えて、ふと思う。
「あれ、晩ご飯は?どうしよ?」
あいにく夕飯は準備できないとのこと。そりゃ、そうだ。いきなりの来客だし、晩ご飯の余剰はないだろう。

さぁ、ここから晩御飯探しだ。

辺境の温泉街だ。

最寄りのコンビニでさえ20km先だ。遠い!暗い山道を往復したくはないのでコンビニは最終手段だ。

街歩きMAPを見ると、ちかくに食堂があるらしい!いってみよう!

え、閉店してる…。

うん、仕方ない!グーグルマップでは、ちかくにラーメン屋さんがあるらしい。

え、やってなくね?

もう一軒ラーメン屋さんをあたったが、「準備中」の看板が。。。

おわった!どこにも食べ物がない!!
今晩は白湯でも飲んで、しのごうか!!

なんて思っていると、個人商店を見つけた。

あ、なんとかなりそう。と直感が告げる。

店はまだ営業している。よかった!

店のおばちゃんに事情を話す。

おばちゃん「う~ん、うちには土産物か漬物しかないからねえ…」
ぼく「晩ご飯になるものはないですよね…」
おばちゃん「あ、レトルトカレーあったわ!」
と奥の棚から引っ張り出してくれた。ラッキーすぎる。

さらに袋麺のうどんも発見!お、これは行けるのでは???おばちゃん、ありがとう!!

宿に帰還し、調理を進める。旅館はもともと湯治施設だったらしく、共用キッチンがあった。ホント運がイイ。


調理開始!


年代物の“ガス自動販売機”にお金を入れて、


着火!!ゆでる!!


レトルトカレーを温めれば…


即席カレーうどんの完成!!旅館のロビーに温泉卵が置かれていたので、それも貰ってきた。

ふい~~、なんとかなった!よかった、よかった。宿のご主人と、商店のおばちゃんに助けられた!!ありがとうございました!!

ようやくありつけたカレーうどんの味は格別だった。もうオイシイのなんのって!!ただのレトルトだけど、苦労を越えて食べるとより一層おいしく感じられる。なんとも行き当たりばったりだったけど、こうやってトラブルを乗り越えるのも、旅の一興だ。

トラブルを楽しめる性格でよかったな、なんて思う。その時は大変だけど、後から振り返れば笑い話だ。宿もご飯も準備できていなくても、旅は続けられるんだからおもしろい。

素敵な出会いのゲストハウス

ラストは、富山県のゲストハウスのお話でも。

ここ“京町の宿”がすごく好き。

気づいたら1年で3回訪れていた。居心地がいいのだ。

ご飯が出てくる!出てくる!!


お酒まで出してくれる!!

これ、素泊まりなんですよ…?全部、ご厚意で出してもらっているんです。信じられないおもてなしだ!!

この宿を経営しているご夫婦の人柄が素敵なんです。旦那さんは自転車で日本一周した経験があるし、バイクも大好きであちこち走っているらしい。旅の思い出話がぽんぽん出てくるから、聞いていて飽きない。


他のお客さんと語らう時間も楽しい。

ドライブが好きな人、登山が好きな人、外国人のプロの写真家さんetc…。旅が大好きな人が集まっているのだ。

外国人のおばちゃんと雑談していたら「あなたの自転車、見せて!」と言い出したので。


自転車試乗会、開催!!!

「かる~~い!」と喜ぶおばちゃん。「ねえ、乗りたい!乗ってもいい?」とニコニコと聞かれるので、快くOKと答えると

AHAHAHAHA~!!!!

高らかに笑いながら、喜んでいた。ぼくもニッコリしてしまう。自分の自転車を楽しそうに乗ってくれて嬉しい限りだ。

おばちゃん「なんでこんなにも軽いの?」
ぼく「カーボンフレームだからね」
おばちゃん「おお!すごい!!だから軽いのね!にしてもカッコいいバイクね!」
ぼく「パーツにお金かけてて、これは無線ギアチェンジだし、ホイールはオーダーメイドだしね」
おばちゃん「ええぇえ!!無線!?オーダーメイド!?」

目を白黒させて驚く様子が、面白くって仕方ない。新しいおもちゃを手にした子供のようなキラキラした瞳だ。

いい宿には、いいお客さんが集まる。

ちなみに、宿のご主人の気分次第では…

お茶をたてていただける!!


うんまかった!!!

いつもご飯やお茶や楽しい出会いをありがとうございます!!富山県にお越しの際には“京町の宿”に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?楽しい出会いがきっとありますよ!

まとめ

いかがだったでしょうか!

こうして振り返ってみるのも楽しい。いつものブログではスピード感を優先して、宿の話をカットしてきた。けどこうして宿にフォーカスして、まとめを書いてみるのも面白い。いつもの旅ブログから余った具材で、チャチャっとチャーハンを作ってみた感じだ。いいね。

やっぱり旅は面白いと思う。
旅をしたからこそ出会える縁がある、と強く思っている。いままで出会ったことない人と夜を明かして話てし、お互いの経験を共有する。自分の知らない世界が広がっていくし、自分の見えている世界を誰かに教えてあげることもできる。こんなコミュニケーションが好きだ。旅が好きなもの同士で語らう時間ほど楽しい時間はない。

そんな楽しみを求めて、またきっとぼくは旅に出るんだろう。

おわり。