初めてやってきたんだ。だけど、なんだか懐かしさを感じる。
駅舎、マリンタワー、あの道も、この店も…。いつもPC画面で眺めていた景色が眼前に広がっていた。
あぁ…ついに来れたんだ。
ここがガールズアンドパンツァー、通称ガルパンの舞台となった…
大洗町だぁ~~!!
気分は最高潮に上がる!恋焦がれてきた場所だ!!踊りだしたい気持ちをグッと抑え込める。でも、顔はニンマリ笑ってしまう。ふふふ。
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大好きな街を駆け巡ってきた話をこの記事に書きなぐってみた。ガルパンを知らなくったってこの記事を楽しんでもらえるはず!!「大好きだ!!」って気持ちがあふれている様子を楽しんでもらえれば!
この日は、茨城ツーリングの2日目。トラブルを乗り越えながら、いわき市から130km漕いできたんだ。残りの2日間で聖地巡礼を楽しもうという計画。胸が湧きたつ!わくわくするね!
ここは茨城県の大洗町。水戸市のすぐお隣。
ぼくのプランはテキトーだ。とりあえず大洗駅まで行ってみる。あとは街中散策をする予定。気になる場所があれば立ち寄ってみよう!
てなわけで、まずは大洗駅へ。
おおおお!!
そのまんまだ!!テンションがブチ上がる!!
作中の駅舎が、”現実世界で再現”されている!完成度の高いな!!!
…いや、アニメのほうが模倣しているんだった。現実世界がオリジナルだ。もうどっちがオリジナルか分からない。素敵な駅だ。
近くにいたお兄さんに写真を撮ってもらった。
いやっふい!!ぼくもあんこうチームの一員だ!(勘違い)
撮ってくれたお兄さんにお礼を言うと、ビシッと親指を立てて応えてくれた。この動き…オタクですね、同志ですね。「大洗を楽しんでいきなよ」彼の目がそう言っている気がした。
駅構内ものぞいてみよう。
さおりんの通った改札。
みんなで立ち寄ったコンビニ。
キャラたちが過ごしてきた時間が、ここには確かにある。ふっと…ぼくも彼女らの仲間入りをした錯覚に陥る。一緒に改札を通り、一緒にコンビニに立ち寄ったっけ。かけがえのない時間だったんだなあ(感慨深い)。
…!!いやいや!目を覚まそう!!向こうの世界に引っ張られていた!!!
でも、この没入感がオモシロいのだ。一方的に受信しかできなかったアニメの世界に、自ら足を踏み入れられる感じ!!圧倒的な現実の中に、ひとつの作品が息づいている。
駅から2kmほど移動すれば…
あばばばば、マリンタワーだ!
もちろん作中にも登場している!!大洗町のランドマーク!!!
凛とそびえていてカッコイイね!!構造がこれまたオモシロいのだ。下から三角柱、六角柱、また三角柱とデザインが凝っている。惚れ惚れと見上げる。う~む、大きな建築物は人類の繁栄の象徴だ。
登ってみると大洗を一望できる。
街と海の調和がなんとも美しいことよ。大洗には北海道フェリーが就航されている。港町として発展しているんだろう。
キャラクターたちもこの景色を見てきたんだろうか。太平洋に沈む夕陽を見て、なにを感じてきたんだろうか。作中には描かれなかったストーリーもきっといっぱいあったはず。…全部が妄想なんだけど、ついつい考えてしまうのがオタクの性。やっぱりあの素敵な世界にすこしでも近づきたいのだ。
いつもの自転車旅では、行きたい場所には行きまくり、知りたいものをいっぱい見てきた。そのクセで、自分が「いきたい!知りたい!」と思ったら、とことん知りたくなってしまう。しかし、悲しいかな。アニメの世界にはどうやったって行けないのだ。3000回ぐらい生まれ変わったら、モブキャラぐらいにはなれるだろうか。
海を眺めながらそんなことを思う。
展望台から下り、2階にある「ガルパンカフェ」なるオタクホイホイのスポットへ立ち寄ってみる。
なにこれ、天国か…!ガルパン知らない人はめっちゃ入りにくいやつじゃん!!よくここまで振り切ったな!!!
店内はガルパン色に染まっていた。どこを見回しても、一部の隙もなくガルパンだ!!一般世界と隔絶されている!!うひょー!!!
ここのコーヒーフロート美味しかったです。店員さんのコスプレもかわいかったです、はい。
店を出て隣のショッピングモールへ。
ぼくにはどうしても食べておきたいものがあった…なにがなんでも外せない一品がある。それはあんこう鍋じゃぁあああいぃいいい!
北茨城の名産品…冬のあんこう!
あんこうだなんて、人生で数回しか食べたことがないぞ!めっちゃ楽しみだぞ!どんな味がするんだろう!!(作中にあんこう鍋が出たのに影響されたオタク)
きたきた…!薄紅色のきれいな身だ!!
ぐつぐつ煮てみるとぷりんぷりんの白身!
いいお出汁の香りが鼻をそよぎ、あたたかい蒸気が顔にあたる。これはおいしそう!!いざ、いただきまーす!!
…うまままっまま!!!
目を見ひらく…うまっ(感嘆)。白身なのに味が濃ゆい。濃縮された海の旨みが口の中で大爆発している。噛むごとにあんこうに砲撃される。もちっと弾む肉質と、ぷるぷる震える脂…こりゃあ白旗もんですわ。鍋の濃い味付けにも負けていないうまさよ…。おどろいた。
追加であんこうの唐揚げをオーダー。
ふぅうんんまぁあ!!
アツアツに揚げられた身はほくほくと崩れていく。あんこうのいろんな部位が唐揚げになっていて、面白かった。とくに尾びれの唐揚げは、身が骨にしっかり食い込み、硬めの肉質になっている。顎の力を目いっぱい使ってかじる。
ひと噛み…。
ドッガァアアアンン!!
カール自走臼砲のような強力な砲撃が、舌にクリーンヒットする。旨みの大爆撃だ!!!!!脳天しびれるわ!!!うまいってレベルじゃねーぞ!!!
最後は雑炊で〆る!!
CV33型快速戦車のような小さい切れ端も漏らさずいただく!!出汁うっまあああああ!!!!完全に全国優勝したわ!!!!
はぁ~、大満足だ。
これだけの贅沢をして2700円だった!思ったよりもやっすいな!!
ここは一人用のあんこう鍋を準備してくれる。ソロオタクに優しい店だった。マリンタワー横のアウトレット「シーサイドステーション」にあるので、ぜひこの「浜っ子食堂」に行ってみては?(普通のお店のあんこう鍋は『注文は2人前から(3000円~)』だからね。こんなふうにラフにいただけるのって貴重だったりする。あんこうは高級品!)
そうして大満足の2日目が終わった。
さて3日目。この日は12月16日…そう。
五十鈴華さんのお誕生日だ~~!!!いやっほう!!
ほんと偶然なんだけど、推しの誕生日に訪問できたのだ!!なんという僥倖…!!
この日は平日だったけど、誕生日を祝うオタク同志で町は大いににぎわっていた。
例えば「ガルパンギャラリー」の前には
寄せ書きが!!みんな嬉々としてイラストやコメントを書いている。ええのう、ええのう。こうやってオタクをおおっぴらにできる環境は素敵だ。
ぼくもイラストを残してみた。
ここのギャラリーはかなり見ごたえがあった。もちろんグッズも魅力的なんだけど、ぼくの目を引いたのが「聖地巡礼としての大洗町」の歴史だ。
ガルパンのプロデューサーたちが、地元の商工会長と手を組んだのが聖地の始まり。
町でも受け入れられてもらえるように、地道に下地作りをしてきた。前例もない中、企画、デザイン、運営を取り仕切ってきた。地元の一大祭りである「あんこう祭り」で初めてガルパンをお披露目をして、過去最大の動員を達成して大成功!大洗町といえばガルパンと言わしめるほどに、聖地として大きくなっていく。
街作りとして大成功している背景ってのはとても興味ぶかい。
ぼくは地方へあちこちツーリングしにいくので、寂れていく観光地や街をよく目にする。「雰囲気や人がイイのに、なんだかもったいないなー」なんて思っていたけど、こうして成功している好例があると嬉しくなる。見向きもされてこなかった地方が一大観光地に成長する。やっぱり活気のある町はオモシロいのだ。町にいるだけで元気を分けてもらえる。うん、こんな街作りってのもいいね。
そして、観光客に喜んでもらえるような仕掛けが、大洗町にはいっぱあった。
例えばこのスタンプラリー。キャラ達のスタンプを集めていく。
1周10kmほどなので、自転車の機動力ならでさくっと回れる。
駅やアウトレットで「レンタル自転車(ガルパン仕様)」を1日500円で借りられる。ぼくがスタンプラリーしていると、レンタル自転車で走っている人も何人か見かけた。コンパクトな街を生かして、お手軽に楽しく走れる環境を作ってくれている。
さらにスタンプラリーの場所ってのが…
作中に出た”聖地”ばっかりなんですよ。もうオタクにはたまらんわけです。自動的に聖地を回れるというね!!!
スタンプラリーを完了したら、素敵な景品をいただけた!!ここだけのプレミア品で嬉しい限り。しかもスタンプラリーも景品も無料っていうね。優遇しすぎじゃあないですか!!大洗町、本気かよ!
こうして遊び方を提示してもらえるので、初めてのぼくもすっごく楽しめる。行く先々で「あぁ!!ここ知ってる!!」「普通の神社だとおもって来たのに、まさかここが聖地だったのかよ…!」って感動してしまう。点と点がつながっていく感覚が楽しい。
こんな仕掛け以外にも、お店や人との交流も楽しかった。
例えば、このお店。
一見、なんてことのない衣料店だ。しかし入ってみると、
アンチョビちゃんが出迎えてくれる!!かわいい!!
さらに店内の一角には…
なんと素晴らしい!!!
アンチョビちゃんギャラリーが展開されている!!!うわお!!!!
この衣料店ではガルパンTシャツやタオルが売られていた。さすがにキャラTシャツは着る勇気がないので
タオルを購入!!
あんこうチームのタオルいいね!さりげないチームマークがかわいい。ツーリングで使ってみよう。店主のおっちゃんもオタクに慣れているようで、ニコニコしながら応対してくれた。缶バッチもおまけしてくれる素晴らしい心意気。心がほっこりする。ガルパンというコンテンツを通じて、年代が違う方とも交流ができる。素敵なことだ。
そもそも町全体がガルパンを受け入れてるようだった。
店の前にはキャラ看板が立ち並ぶ。
高級そうな店でもお構いなしに並べる。
「オタク道、やります!」
町がそう言っているように聞こえた。
なんとも居心地がいい。大洗町にやってきてよかった。ほんとうに楽しい。満足度が高すぎる。
作品自体もかなり面白いってのもあるけど、こうして町みんなで盛り上げようとする気持ちが伝わってくる。「ファンを楽しませてやろう!」そんな思いでここまでやってきたんだろう。
いい街へやってこれたものだ。
「やっぱり、西住殿の判断は間違っていなかったようですね」
秋山殿の名言を思い出した。
うん、聖地巡礼に行こうと思った判断は間違っていなかった。大いに楽しかった。まだまだいけていない場所もいっぱいあるので、また訪れてみようと思う。こうして書いているだけでも行きたくってウズウズしている。
好きな場所に、好きだけ訪れる。
ツーリングの楽しみ方の幅に「アニメの聖地巡礼」が追加された。自分の趣味がまた広がるいいきっかけとなる旅だった。きっとぼくは大洗町を再訪するだろう。お気に入りの町が増えたことに喜びながら、帰路についた。
茨城ツーリング編、おわり。
一部の画像はⓒガールズ&パンツァー から引用しましたよ~!