【後編】1泊2日で行く『自転車×キャンプ×ハイク』の旅が楽しすぎた話

202109栗駒山

ぱちり…。

心地よい疲労感ととこに目が覚める。ここ、どこだっけ…?寝ぼけた頭で考える。

そうか、キャンプだ!

前日は、ちょっと無茶なライドして、水分不足に苦しんで、キャンプ場にたどり着いたんだった。(前半の話はこちらから!)

体を起こしてみると、やけに体が軽い。頭もすっきりしているし、よく眠れたようだ。よかった!


朝日とともに起きる気持ちよさと言ったら…!もう、最高!

よっしゃ、いこう!今日は、山を登ろう!

今回の旅のプランは、『自転車×キャンプ×ハイク』を楽しもうというもの。


2日目の今日は、メインディッシュである栗駒山を登る。

最近は、すっかり山にハマっているワタクシ。

きれいな景色を見たい→山へ行く→山用の装備あればもっと楽なのでは?→装備を買う→さらに山へ行きたくなる→山へ行く→もっと装備があれば→…

というループにハマって、山への興味がだんだん強くなってきている(2週間前も月山に登りにいってた)


テントを抜け出して、準備する。

一緒に来ているS.K.さん(Twitter:@r0adbike_sk)はすでに起きていて、朝ご飯を食べていた。

おはよー、おはよー!

今日はいい日になりそうだ。

登れ、登れ!ファストハイク!


今回、登る山は栗駒山だ。

ちょっとマイナーな「天馬尾根ルート」を通って、山頂へ行ってみよう!なんでも尾根を歩けて、眺望がキレイなんだとか。くぅ~、楽しみすぎる。

キャンプ場からすぐ近くの登山口に到着!

出発だ!

S.K.さんを先頭に、登り始める。登山経験の豊富なS.K.さんの足取りが軽い。そして静か。

S.K.さんのペースに追いつけなくって、息が上がりっぱなし。でも、この感覚、嫌いじゃない。


標高200mも登ると…


一気に視界が開ける…!

うぉおおおお!!!!きもちいいい!!!

目に映るもの、すべてが山だ。180度の視界いっぱいに山々が映し出される。こりゃいい。


泊まっていたキャンプ場があんなに小さく見える。

すこし歩くと、景色が変わる。

なんなんだ!この景色は!!

緑の絨毯の中に、火が付いたような赤とオレンジ。すでに紅葉が始まっているんだなあ。美しい。


S.K.さんと一緒に喜んで写真を撮る。


あぁ。きれいだ。あの奥が山頂だろうか?


「自転車で絶景を巡るのが好きな人って、ハイキングにもきっとハマるだろうね」とS.K.さんがうれしそうに言う。

たしかにそうかもしれない…。絶景を見たいがために自転車に乗る人にとっては天国だろう。しかも絶景の中をずっと歩き続けられるのがハイキングのいいところだ。自転車じゃ速度が速すぎて、一瞬で絶景を通り過ぎてしまう。


でも、ハイキングならゆっくり歩けるし、なんなら立ち止まれる。

これかもしれない。ぼくが山を歩きたくなる理由ってこれかもしれない。

いままで自転車旅で充分なほどの絶景を見てきたけど、ハイキングはレベルが違う。

自転車じゃ通れない道を自分の脚で進める快感が山にはあるのかもしれない。

せっかく軽装な装備をしてるんだから、ということで…

走る!


走る!


未舗装路も走る。

こういう道を走ることを「トレラン」というらしい。S.K.さんを追っかけるように、走るのがたまらなく楽しい。どこに足を置くのか、どのくらいのペースで走るか、ここはジャンプしよう、など瞬時の判断をして、体を動かす。あぁ、山を駆けるのって気持ちいいんだな。


S.K.さんもニッコニコ。


「運動神経が高い人は、オーラを放っている」と気づいた一枚。


1時間半ほど歩いただろうか。


ぶわっと紅葉が広がっている。

もう山頂が近いんだろうか。高い木々もなくなり、見通りもいい。


あたり一面は赤い絨毯だ。


景色を楽しんでいるとあっという間に…


山頂に到着!いえい、いえい!!

思ったよりも早かった。景色を見て、写真を撮って、走っているうちに、すぐに登頂してしまった。ここでようやく腰を下ろして食べるおにぎりのおいしいこと…あぁ頂上の味がする。

本当に天気にも恵まれた。

雲のない空のもと、ただただ遠くまで広がる自然に抱かれながら山を登る。これほどまでに楽しいことがあるだろうか。

あとはゆっくり下山をしたので、その様子を写真でどうぞ。


S.K.さんイケメンかよ。

ばいばい、栗駒山!

登山パートのログ

4時間半ほどで帰ってこれた。これでもまだ昼の12時。

近くの旅館の「栗駒山荘」さんは、日帰り入浴もやっているらしい。「これは行きたい!」とS.K.さんと満場一致で温泉へ向かう。

まぁ~気持ちよかった。

激しい運動をした後に入る温泉は格別だ。しかも露天風呂からはまた山々の景色が見える。人工物がまったく見えない景色ってのも、この時代では珍しいモノなのかもしれない。

ひとっ風呂浴びて飲むコーラは、最高の味がした。

自転車でぶっ飛ばせ!


登山パートを終えた僕らは帰路につくことにした。


標高1000mからのダウンヒル。

S.K.さんの後ろをついていくように下ると、無駄なくスムーズに下っていける。カーブへの侵入速度や角度が絶妙で、最小限のブレーキングで済んだのは非常にありがたかった。

リムブレーキのカーボンリムなので、放熱するために何度も停車してもらったのも、すごく助けられた。

ほとんど山も下りた。あとは平坦とやや下り坂があるぐらいだろう。

「もうブレーキに気を使わなくて楽だわ~」なんて思っていたら、先頭を走るS.K.さんがぐんぐんとスピードを上げる。もう最後なので思いっきり力を開放しておこう、ということなんだろうと思って、ペダルを踏みしめて後ろに張り付く。


ふとサイコンを見ると、スピードは43km/h!

え?まじかよ…。


実はS.K.さんのバイクは、未舗装路向けのグラベルロードバイク。

お世辞にも高速巡航向きではないバイクだ。それなのに、グイングイン踏み込んで速度を上げていく。まじかよ、まじかよ。と焦りながらついていく。

40km/hオーバーで5kmも牽いてくれただろうか。いきなりS.K.さんが叫びだした。これが交代の合図か、と察してS.K.さんを抜いて先頭に出る。

ここまで本気の踏みをしてくれたS.K.さんに、お返しするためにぼくも目一杯の速度で駆け抜ける。新しく導入したUltimateホイールがぐんぐん走ってくれるおかげで、いつも以上の高速域で走り続けられる。

うぉおおおお!いくところまでいくぜ!!!

のどがカラカラだが、水を飲む余裕がない。ハンドルから手を離すとスピードが落ちてしまいそうだ。今自分ができる限りの力を発揮するんだ!

「ああぁああ!!!」

気づいたときには叫んでいた。全力で走りたかったからこそ、自然に声が出ていたんだと思う。それを察してS.K.さんが先頭に出てくれる。

こうして、先頭が奇声を上げたら交代する40km/h高速トレインが出来上がってしまった。何度も後退して、40km/hを維持する。頭がパーンとぶっ飛ぶ感覚があって、めちゃくちゃに楽しかった。

その様子をS.K.さんが動画を撮ってくれていた。


そして、一関駅にゴール!!

お疲れ様~~~!すっごく疲れたけど、めちゃくちゃ楽しかった。自分の持てる力を全部ぶつけて、思いっきり高速で走るってのはものすごい快感だ。気持ちよすぎる。

そんでもって、S.K.さん強ぇ…。グラベルロードバイクで 40cの太いタイヤを履いたうえで、


空気抵抗マシマシのパッキングで、


後輪はパンクで1.8気圧しか入らないのに、常に40km/h以上で走っていた。…ガチモンの妖怪じゃないか…!!

そうしてS.K.さんと互いの健闘を称えつつ、24時間ぶりのコンビニで買ったジュースで祝杯を挙げた。

自転車パートのログ

たった36時間の旅だったけど、ものすごく楽しかった。はじめて挑戦する自転車×キャンプ×ハイク』の旅。短い時間の中でも、アウトドア趣味ってめちゃくちゃ楽しめることに気づいた。

移動も宿泊も食事もぜんぶがアウトドア趣味に繋がっているんだから、楽しくないはずがない。

こうして誰かと一緒に苦労をして、喜びを共有できる時間ってのが、何よりも楽しいんだなと思った36時間だった、S.K.さん、ありがとうございました!

さぁて、今度はどんな遊びをやろうかな~~!

おわり。


S.K.さんのブログにもこの日のこと書かれてるよ!見てみてね!
ぼっちと孤高の分かれ道

今回の旅を、S.K.さんが動画にまとめてくれるよ!ぜひ見てみてね!

S.K.さんのブログとSNSも面白いので、見てみてね!

ブログ:ぼっちと孤高の分かれ道
Twitter:@r0adbike_sk
Instagram:@s.k_solitary_cycring

この旅の前半の話はこちらから!