初めてのソロキャンプしてみたら、絶景に出会ってきた【ロードバイク旅】

202006天童高原

キャンプって楽しいもんだったんだ…!

自分の趣味のトビラがひとつ開いた音が聞こえた。これ、ハマるかもしれない…。


「さあ次の週末は何をしようかな…?」
平日の昼休み、ぼくはいろいろと考えていた。この状況下では越境ツーリングをするのは、はばかれる。なるべく県内で、人との接触が少なくって、自転車で楽しめる遊びはないものか…?

ツーリング?釣り?登山?ぼんやりGoogle MAPを眺めていると

“キャンプ場”の文字が…!

そうだ、キャンプがあるじゃないか!これはいいんじゃない?

なにも遠くに出掛けることだけが、ツーリングじゃない。近場のキャンプ場まで行ってみて、とりあえず泊ってこよう!

その日の仕事を終わらせたぼくは、

アウトドアショップであるモンベルさんへお邪魔していた。

お目当てはテントだ。なんとなくの前知識で知ってはいた。モンベル製のムーンライトかULシェルターが、自転車旅にはもってこいなんだとか。

ふらりとアウトレットコーナーを覗くと…


え!あった!!!ドンピシャで欲しいテントだ。


しかも10,000円オフだと!?気づけば家に連れて帰っていた。

そのままいそいそと部屋の中でテント設営をしてみる。

テントの中では最軽量の超小型タイプだけど、ロードバイクがすっぽりと収まりそうなサイズ感。おっきいです。

簡単な紹介

U.L.ドームシェルター 1型
3シーズン(春~秋)対応のシングルウォール構造とインナーポール方式により、世界最高レベルの軽量コンパクト性を実現したツェルトです。ポール2本で十分な居住空間を確保する自立式で、軽量性だけでなく、耐風性にも優れています。
【本体重量】742g(ポールを含む)
【構成】シェルター本体1、本体用スタッフバッグ1、ポール2本、ポールスタッフバッグ
モンベル 公式サイトより引用

シンプルってのがイイ!段取り性がよく、故障リスクが低く、軽量性につながる。ポール込みで750gを切ってるのは素晴らしい。普段の自転車旅で使っているボトルと大差ない重量だ。

しかも2020年モデルという最新版でアウトレットだったのも運が良かった。たしかに傷がついていたけど、浸水もしないほど小さな傷でまったくの問題なし!

スペックを見るだけでも「これはいいギアが手に入ったのでは?」とウキウキしてしまう…!使い込んでみたら、感想記事を書こうかな。寝袋(冬用)とマットは持っているので、これを詰めていけばいいだろう!!

さて週末。

自転車に荷物を載せ、さらにリュックにも道具を詰め込んだ。

行き先は、隣町のキャンプ場に決めた。たった20km先だけど、まったく知らない場所へ旅立つような気持になる。幸いにも天気に恵まれて、テント泊するにはばっちりの天候だ。

キャンプ場は山の上にあるので、えっちらおっちらヒルクライムをしていく。

リュック(5kg)を背負っているので、暑くてたまらない!

自転車にも積んでいる分、いつもよりもヒルクライムをキツく感じる!!でも負けるか!!

いっけえ!!!

ふぅ、ふぅ、ふぅ…。

息が上がりテンションも上がる反面、ぼくにはちょっと気がかりがあった。それは半年前のこと。

会社の先輩に連れられて、人生初めてのテント泊のキャンプをやってみた。しかし時期と場所が悪かった。11月の岩手県。しかも岩手山の中腹…!

キンキンに冷えた空気の中、夜中には大風が吹き、初雪も降り、テントがぶるんぶるんゆすられていた。半死半生のもうろうとした意識の中、寝たか寝てないか分からないまま夜を越す大変な経験をしてしまったのだ。キャンプ歴10年の先輩でも、あんなヒドイ夜を経験したのは初めてだと言っていた…。詳しい話は、ここから読んでみてね↓
過去記事:初キャンプをテキトーにやってみたら、過酷なキャンプに成り果てた話

そこから、なんとなくキャンプを避けるような気持になっていた。今回は大丈夫かな。天気はいいし、かなり平和なキャンプ場のはずだ。ほんのすこしの気がかりを抱えて山を登っていく。

ふい~~!

天童高原キャンプ場に到着!

ここはファミリー向けのキャンプ場で、設備が揃っている。トイレ、自販機、食事処、アスレチックなどなど。かなりいい環境そうだ!


ぼくにとっては初めてのソロキャンプだ!どんなトラブルが起こるか分からないし、設備が整っていて、まわりに助けを求められる環境のほうがいい。


サイクルラックが置いてあるのはホント助かる。

じつはここには、何度かヒルクライムしに来たことがあるのだ。標高600mぐらいで仕事終わりでふらっと登れるちょうどいい山なのだ。来るときはいつもは夜だったので、今回は夕方と朝の景色が楽しみだったりする。

さてさて、テントを張りますかー!こんな風にスペースが割り当てられるので、

迷わず設営ができる。初心者のぼくにとっては、場所選びをしないで済むというのがありがたかったりする。

テントを組み立て、ペグを打ち、マットと寝袋をセットする。

20分かけて完成!おうちできた!!


奥の立派なテントと比べると、ずいぶん可愛らしい。でもこのちっささがイイと思う。

となりには大所帯のご家族さんたち。みんなでカレーとアヒージョ作りに励んでいて、なんだかほっこりした。子供たちを見ていると、小学生時代に行った林間学校を思い出す…。あのときの思い出を、彼らがいま経験しているのか。キャンプ楽しんでいってね。

さて、ぼくのお楽しみはおやつだ!

凍らせたかッとフルーツを持ってきた!あとは自販機で買った㏄レモン!

これを…

こうして…

こうじゃ!!!

はい、うまい!!!疲れた身体に染みる酸っぱさ!!爽やかなレモン風味が食欲を掻き立ててきれたおかげで一瞬で食べてしまった。は~~、いいね。外で食べるだけでも、何倍も美味しく感じられる。こんな原初的な食の楽しみがキャンプの良さなのかもしれない。

あともう1つ、やってみたいことが。

それはテントの中でご飯を食べること!

調理道具をもっていないので、今回はお弁当を持ってきた。登山家の服部文祥さんの体験記が好きなんだけど、テントの中でご飯を食べている描写になぜか惹かれている。厳しい環境を乗り越え、安心してテントの中で食事をとる。そんな経験をぼくもしてみたいと思っていた。

たったひとりだけの引き篭もり空間で、ゆったりお弁当を食べてみる。

うん、なんだかいつもと違う気がする。何がどう違うかは分からないけど、自分で作った自分だけの世界で食事をとる。その行為そのものが特別なことように感じられた。

たった一枚の布の先に、外の世界があるのにあえて引き篭もる。それがおもしろい…。

ごちそうさまでした。

あとはリラックスタイム。

快適なマットの上に寝転がって、まわりの空気を楽しむ。木漏れ日の暖かさ、風が運んでくる木々の香り、遠くで遊んでいる子供たちの声。どこか懐かしいような、だけど初めての経験のような…。不思議な感覚がぼくを包んでいた。そうか、こんな風にゆったりと自然に囲まれるってことが久しぶりなんだ。時間にも人間関係にも予定にも縛らない自由な場所がここにあったんだ、と気づかされた。

なんだか、子供たちの声が遠くに聞こえてきた…

Zzz..

「猿だ!猿がいるよ!」テンションが上がり切った子供の声で、目を覚ました。

みんなが、ワーーーと走り去る音がしたのを確認してからテントから這い出る。

あ、もう夕方か。転寝していたようだ。

うん?夕方…ってことは?寝ぼけた頭で考える。

夕陽を撮れるチャンスだ!

子供たちよ起こしてくれてありがとう!!なんなら登場してきてくれた猿、ありがとう!!

展望スポットへ向かうと

あああ…!!美しい!!この空気感たまんない!


自転車を配置して撮ってみた。いいじゃないの!!

ゆっくりと傾いていく太陽。

それに伴って濃くなる影。

自転車のシルエットを浮かび上がらせて、遠くの山々に隠れていく夕陽。あぁ、好きな時間だ。太陽が沈み切るその間際、世界が変わる瞬間を見れるようで嬉しくなってしまう。

太陽が完全に沈んでからもぼーっと空を眺めていると

え…!

マジックアワーの延長戦だと!!薄くたなびく雲に反射した太陽光が変更して、異世界のような景色を見せてくれている。


こんな色合いが、世界にはあったのか。

ふかいため息をつき、空を見上げるしかなかった。まるで新しいおもちゃをいつまでも眺めている幼少期に戻ったようだ。


こんな美しい世界が続けばいいのに…。とふと思う。

いや、世界はずっとこんな美しい景色を繰り返してきたんだ。ただ僕が今まで知らなかっただけだ。山の上から夕陽を眺めてみる。ただそれだけで世界は絶景を見せてくれるんだから。

なんだか、ほっと安心した。
なぜだか分からないけど今夜はいい夜を過ごせそうだと思えた。半年前のような過酷なキャンプにはならないはずだ。きっといい夢を見られる。

テントに戻った僕は、しばらく物思いにふけり、気づけば眠りの世界に落ちていった。

あさ。

すっきりと目を覚ますことができた。

ゆったり朝の景色を楽しんだ後には、


テントを撤収し、お隣の大家族キャンパーさんと雑談した。

「夜に騒がしくてすみません」と謝られたけど、「そんなに騒いでたんですか?」というレベルで気にせずに眠れていた。寒くて一度起きてしまったけど、一瞬のことだったからすぐに眠ったんだろう。夜は5度ぐらいだったけど、ちゃんと冬用の寝袋で寝たので何も問題はなかった。快適な睡眠がとれたっぽい。

半年前のような悲劇を繰り返さず、胸をホッと撫でおろした。

初めてのソロキャンプ。

たった1人で初めてのことに挑戦する。

不安も感じつつも大きなトラブルもなく、心の底から楽しめるいい時間を過ごせたんじゃないかなと思う。知らなかった世界、今まで気づいていなかった楽しみを知ってしまった以上、これからも少しずつキャンプをやっていくんだと思う。

そうやって趣味の範囲を広げていけることがすごくうれしい!!まだまだいっぱい遊びまわるぞ!!

おわり。

今回のキャンプの様子をYouTubeにも動画を載せているよ!

過去のヒドいキャンプはこちらから!:初キャンプをテキトーにやってみたら、過酷なキャンプに成り果てた話