初キャンプをテキトーにやってみたら、過酷なキャンプに成り果てた話

キャンプ

とある金曜日。

会社の先輩とおしゃべり。
先輩「今週末はどっかいくの?」
ぼく「ノープランでロードバイクで出掛けようかと~」
先輩「そんならさ、キャンプしにいかない?」
ぼく「ふぇ…!?」
先輩「楽しいんだよ、キャンプって!」
ぼく「いきますっ!!!!」

迷わず乗っかった。もうこれは行くっきゃないでしょ!
いままで手を出せていなかったキャンプに初挑戦だ!!うっひょー!!

プランはテキトー。なんとなく北上して岩手のキャンプ場へ。道具とかは先輩にお任せという体たらくっぷり。

さて当日。


この先輩というのは過去に何度もツーリングをしている大滝さん(仮名)だ。一緒に青森旅したりヒルクライムイベントに出たり、仲良くさせてもらっている。ありがたや( ˘ω˘ )

いざ、しゅっぱーつ!!ワクワクするね!!

キャンプ地は岩手山だ!!

片道250㎞以上の道のり。クルマだとあっという間だけどね。


その道中に紅葉を楽しんだり


盛岡冷麵に舌鼓をうったり。

優雅な旅を楽しんでいた。そう、ここまでは楽しんでいた。まさかあんな事態になるだなんて知らずに。。。

本日のお宿、岩手山のふもとに到着!17時前でもう暗い!!

大滝さん「まずはテントを張ろう!完全に暗くなると、めっちゃ大変だから!」
ぼく「おけです!(まあテントぐらいは簡単では?)」

大滝さん持参のタープとテント!!

よっしゃ、設営すっぞ!!!


ライトを固定したヘルメットがあるので、作業はしやすいはずだ。

まずは屋根と壁になるタープを張るぞ。これがあればテントの中に風が侵入してくるのを防げる!!はず!!!

しかし…
風「ぶぅおおおおおお!!」
ぼくら「ひぇぇええええ!!」


タープの支柱を支えるのも苦労する。

ペグを打ち、紐を張り、タープを自立させる。しかし劣化した紐がちぎれて倒壊するタープ。なにこれ、ドリフ?
2人でひぃひぃ言いながら修復する。寒くって手がかじかむ。。。

ぽつ、ぽつ、ぽつ…

ぎゃああ!雪が降ってきやがった!!しかも初雪だあああああ!!!

空気を読んでくれよ、天気!!!!!こっちは初キャンプなんだぞ!!!!ゆるゆるキャンプがしたいだけなんだ!!!

こんなの、スピードワゴンさんがディオと戦うようなもんだぞ!!!波紋すら使えないから瞬殺されるぞ!!!

キャンプ経験ゼロのぼくが雪に苦しめられる未来がチラっと見えた。が、気にしない気にしない。


1時間かかって設営完了。

いやぁ、苦労した。ペグを深く打ち、紐もしっかり張った。テントも何度も確認したからこれで大丈夫だろう。

ふい~~~。なんとかなった。よかった。
大滝さんもようやくホッとした顔になった。「キャンプ歴10年以上でも、こんなヒドイ環境でやったことないわ」と笑っていた。やはり寒さも風も尋常じゃないですよね、これ。

キャンプ場の隣に温泉施設があるので、体温を取り戻しに行く。

温泉って最高かよ。凍え切っていた身体がみるみる回復していく。


さらにここでご飯も頂ける!!!

深夜を乗り越えられるように、カロリー倍付けだ!!!!チャーシュー麺うまうま!!!


豚丼もハイカロリーの味でとってもうまい!!


温泉とご飯が食べられる施設のとなりのキャンプ場を選んでホントによかった。キャンプ飯を作ろうものなら、めんどくささでココロぽっきんいってたわ。
施設の閉まる21時までぎりぎりまで居座っていた。すこしでも体力を温存しておきたい。

よっしゃ、いっちょいったりますか!!これから寒さと戦ってやろうじゃないの!!かかってこいや、寒さ!!

風「ぶぅうううおおおおお」
いや、かかってこないでください…勘弁してください。

しかーーし、夜のお楽しみがあるのだ!!!

焚き火じゃぁああああいいい!!!

火がともった瞬間の明るさよ…!!小さな火から大きな火柱に成長していく過程がなんともおもしろい!!周囲が明るくなると、自分の吐く息がまっしろなことに気づく。もう気温はマイナスだろう。


外気が寒くとも、「あったけぇ…」と声が出る。


もうずっと見ていられる。


ぱちぱちと心地いい音を聞きながら、月を眺める。

ケムリ臭いけど、それすらも好ましく感じられる。

薪が足りなくなれば、近くの林まで拾いに行く。桜の枝がいっぱい落ちていたので、事欠かさない。
たっぷり油を含んでいるから、火の付き方がめちゃくちゃいいと大滝さんも満足そうだ。

ふぅむ、いい雰囲気だなあ。これぞキャンプだ。

鍋に水を入れて、

焚き火に置く。

お湯ができたら…

カップラーメン!!禁断のアウトドアの味!!

ずるずると口に運ぶ。スープ…ぬるいっ!!麺もカッタイな!!全然沸いてなかった。それでもなんだかおいしく感じられるよ!!負け惜しみじゃないよ!!!その横で大滝さんはコーヒーをつくって美味しそうに飲んでいた。

3時間ほど焚き火で遊んでいただろうか。そろそろ就寝の時間だ。焚き火を消すとグッと体温が下がった気がする。
恐怖の深夜帯だ。ここからどんどん寒くなっていくだろう。

仕方ない。もうここで寝るしかないのだ。

上品に言っても、ファッキンコールドだ。

人生で体感したことない環境だ。風が強くてテントがバタバタ鳴っている。グランドシート越しに伝わる氷のような地面。
いや、きっと大丈夫だ。-2度までは耐えられる寝袋だ、こいつを信じて寝るしかない。

カイロを太ももの付け根、足先、わきの下に貼る。大きい血管を温めれば、体温も下がりにくいはずだ。その上にスノボ用のウェアを着る。うん、寒くはない、と思う。

大滝さんも完全防寒をして、寝袋2重にして寝るらしい。

では、おやすみなさい!!!

目を閉じるが興奮で寝付けない。

遠くでコォオオオオオオといななきが聞こえる。何が鳴いているんだろう?

…コォオオオオオオ

…ゴォオオオオ…


ぶぅぅぁぁああああああんん!!!!!

バタバタバタバタ!!!!!

突風だ!!!!!ぐあんぐあんテントが揺れる。ぶっ壊れそうだ!!!!!!フレームの骨が折れたら、もう終わりだ。テントはぺしゃんこになっちまう。ただ耐えるしかない!!

30秒もすれば、また静寂になった。ふー、助かった。
今日イチ強い風が吹くとは…やれやれ。

寝ようと落ち着くと、またあの音が…

…コォオオオオオオ
…ゴォオオオオ…
バタバタバタバタ!!!!!

ぎゃあああああ!!!許してくださいぃいいいい!!

ひたすら耐えてやり過ごす。ぼくに出来ることなどもうない!!!

岩手山からの吹きおろしがここまでやってくるんだろう。ふもとなんて障害物がないから、威力が落ちていないのだ。もう台風レベルでは?

風が落ち着いたころ。
大滝さん「あぁあ!終わった…すべて終わった。ちょっと出てきて!!」
と慌てる声が。

テントから這い出ると…

え…タープ倒壊してるじゃんか。

これはオワタ/(^o^)\
もう建てても意味をなさないと判断して、タープを回収してクルマに詰め込んだ。もう露天でテント一つのみ。うっすい布だけが最後の砦だ。もう無茶苦茶すぎませんか、これ。

クマに襲われているんじゃないかと思うほど、テントが揺れまくる。

風はぜんぜん止まないが、もう寝るしかない。全身すべてを寝袋につっこむ。幸いぼくはどこでも寝られるので、ばたばた騒ぐテントの中で眠りに落ちていった。。。

翌朝。

…まぶしい。てか、さっむ!!

外に出てみると、

ふぁ!?

雪が積もってる!!!なんてこったい!!こりゃ寒いわけだわ!!!しかもテントカバーが吹き飛んでる!!

テント最上部がメッシュ素材のせいで、外気がガンガン入ってきていた!!!!

テントの意味とは?

教えて、Google先生。

大滝さんも辛そうな顔をしている。1時間だけしか眠れず、深夜2時からずっと起きていたそうな。いくらキャンプ歴が長くとも、この環境はツラすぎるとのこと。そりゃそうですよね。。。

二人でテントの撤収作業をする。雪まみれのになった道具を片付けるのがなんとも骨の折れる作業だった。

こうしてぼくの初めてのキャンプが終わった。

いやあ、超つらかった。キャンプの楽しさもそれなりに感じたけど、その5000兆倍はつらかった。もう当分キャンプはしなくてもいいわ。次にやるなら暖かい時期がイイ。

それでも焚き火はたのしかったので、焚き火だけはまたやると思う。

…ということで。冬になんてキャンプしないほうがイイよ!!過酷なアウトドアって楽しいけど、限度ってものがあるからね!!!冬キャンは限度超えてくるよ!!!!!地獄だったよ!!!みなさんお気をつけて!!

おわり。

(ぼくは次の日から3日間カゼを引きました。自分のアホさに笑った。)