りっけい(私)『うべ〜まだ登り終わらんですね…下りはいつ来るんですかね』
S.K.さん『え?さっきよりスピード上がったので、実質ここは下りですよ?』
りっけい『???(マジで意味わからん)』
S.K.さん『さあギアを上げて!速度上がれば、下りと同じですよ!』
うっば~~~!!どうしてこうなった~~~!!!
TwitterのフォロワーさんであるS.K.さんとの日帰りライド。
本来ならね、宮城県の島に渡って“ゆるふわライド”をする予定だったんだよ。事前のLINEでは
『台風が来なければいいですね(フラグ)』なんて言っちゃったもんだからね…?フラグ回収に台風チャンホンさんが東北にも迫ってきていた。
う~~ん…どうしようなんて思っていると、S.K.さん『日本海側なら割と青空も見えるかも』ってナイスすぎる提案をしてくれた。うん、たしかにライドするなら晴れている場所に行くのがイイ!!
りっけい『そうですね、日本海いいですね!』
S.K.さん『りっけいさんの家を発着とすれば、200kmルートで走れますね!』
りっけい(いまなんと言いました…?200kmですって???)
S.K.さん『そのあたりでいいルートありませんかね?』
りっけい(当初の予定のゆるふわ要素はどこに?)
S.K.さん『ゆるふわロングライドですね!』
りっけい『じゃあ200kmロングライドいきますか!!(やけくそ)』
こうなってしまえばヤケだ!!距離感覚がぶっ壊れた人に付き合ってみるのも、きっと楽しいはずだぞ!!(遠い目)
仙台に住むS.K.さん。ぼくは山形に住んでいるので、山形内陸→日本海→内陸のコースを組んでみる。
はい、ルートを引いてみると250kmですね。意味が分かりませんね。
りっけいは1つ決心した。心の中で“ゆるふわ”だと思えばこれは“ゆるふわライド”なんだ!!そうだ!きっとそうだ!!
ってなわけで、S.K.さんと日帰りで250km走ってきた様子をかるく紹介していこう!
さて当日。
仙台から輪行*してS.K.さんがやってきたぞ!(*電車に自転車を載せること)
どうもどうも、4か月ぶりですね!朝からニッコニコで楽しそうにしている。今から250km走るんですよ…?
さあ、行きますか!ぼくが先頭で走りだす。市街地を抜けて25㎞走ったところで、山に差し掛かる。S.K.さんに交代!
グイングイン…!!!
はっや!!!登り坂を平坦のようにぶっ飛ばしていく…!!後ろから見ていてわかる。踏み込みの一撃が強すぎる!S.K.さんの脚に呼応するようにバイクが唸りを上げる。坂の登り終わりにさらに加速していくS.K.さん。一気に距離を開けられる…!!くぅ!!パワー系か!!!
なんとか追いつき、息を切らして話しかける。
りっけい『つ、つよぎません…?ゼェゼェ』
S.K.さん『あはは、ちょっとテンションあがっちゃって(にっこり)』
りっけい『登り終わりで…加速するの…つよいですよ…ハァハァ』
S.K.さん『そのほうが平均時速が上がるじゃないですか~~』
りっけい(あぁ…この人はまともじゃない)
酸素がまわらない頭で失礼なことを思う。
息も絶え絶えで、山を駆け抜けていく。今回のルートには月山の旧道を入れてみた。
標高950mまで登れるうえに、雰囲気も抜群にイイ!!
1年の半分以上は、雪のため封鎖されている。いましか開いてない道を2人で駆け抜ける。『いいところですねぇ』と呑気に登っていたS.K.さんに対して、必死にくらいつくりっけい。
あとから確認してみたら
STRAVAアプリ*のベスト10入りしてたわ…こりゃ速いわけだ。(*自転車乗り御用達のアプリ。区間ランキングには、上位を狙う猛者ばかりがいる)
ただやはり旧道はいい!S.K.さんもぼくも一眼レフを持ってきているので、お互いをモデルに写真を撮ってみる!!
おおお!!
これはいいぞ!走る被写体に合わせてシャッターを切ると、ここまで面白い写真が撮れるとは!!
この“流し撮り”ってのがまた難しくって、10テイク以上撮り直した。ピンボケしたり、ブレたり、画角が合わなかったり。その度に全力でスプリントしているから、なかなか足にくる。でも、自分を撮ってもらえることがうれしくって、何度でも喜んでスプリントしていた。S.K.さんも楽しいようで『もう一回撮ってください!いや何回でも走るんで!!』とテンションが上がていた。
写真撮影に満足したぼくらは、さくっと標高950mクリアして下山する。
ダウンヒルするぼくのフォームがキレイだと褒めてもらえたのはうれしかった。
旧道も終わり、バイパスに繋がった。
ここでS.K.さんの本気が…!
ぶぉん!ぶぉん!ぶぉん!!
考えられねぇ…S.K.さん40-50km/hでぶっ飛ばしてる!!常にアウタートップだし、なんやこの人…。
ほんの少し下り基調だけど、海風が逆風となってるから相殺されているはずだし!信号待ちでひょいと顔を覗くと、余裕な表情をしてる!!え、まじですか、まだ150km以上残ってるんですよ???
パワー系ロングライダーだ…あまりにも脚力差がありすぎる。いや僕にパワーがないだけなんだけどね。信号ダッシュで毎回離されて、うぎぎぎぎと死に物狂いで追いかけていく。
ふぅ…ふぅ…。ここで100km地点の鶴岡市にIN。平均時速が27.9km/hとか異常なんですが。
なんとなく見つけた食堂屋さんへ!
2人ともお魚定食だ!!
副菜もお味噌汁もたっぷり入って、自転車乗りにはうれしい定食だ!!しかもご飯のおかわり無料という好待遇っぷり!!
もう何から何までおいしい…!!赤魚の煮付けの味付けも絶妙。あっという間に食べつくしてしまった。ご馳走さまでした!
S.K.さんは『普段はコンビニご飯しか食べないから、このパターンのご飯は珍しいな』と謎の発言をしていた。
ここは鶴岡市、日本海に面している町だ!!ってなわけで、日本海を見に行こう!!
うわぁあああ!!
うあわわわ!!
はぁ~~!完全優勝!!!
日本海が晴れると信じてここまで走ってきた甲斐がある!!この景色のためだったら、どれだけでも走りに来れる!この青さ、たまらなく好きだ!
海に夢中で撮られているのに気付かない僕。
海沿いを北上するときもずっと逆風。あれ?150㎞ぐらいずっと逆風じゃね?
さすがに疲れが出てきたので、コンビニ休憩!『コンビニで15分ぐらい昼寝していきましょう!』とさらりと提案できるS.K.さんは頼もしい。やはり冬の北海道を野宿でツーリングしたお方だ。走るだけじゃなく、トータルのロングライドのコツをよくご存じだ。
りっけいさん気絶中。向かい風引いて下さってありがとうございます……!! pic.twitter.com/Dksnwfc1Ms
— S.K. (@r0adbike_sk) October 11, 2020
今日のライドのテーマが『ゆるふわ250km』のはずが、『死の行進250km』に変わり果てた気がするけど、きっと気のせいだよね。
眠れたわけじゃないけど、目を閉じているだけでも脳はかなりリフレッシュできた!…といのも前日の深夜1時までゲームして、5時間睡眠でこのライドに臨んでいたね。そりゃ眠いわけでね(自業自得)
そろそろ日が傾き始める時間。
ぼくのお気に入りの山、鳥海山もすっかり赤く染まる。
ここでもS.K.さんと気が合い、撮影会タイム!鳥海山をバックにして撮りまくる!!うっひょい!
S.K.さん『いやぁ、やっぱり今回はゆるぽたフォトライドですね!』
ぼく『たしかに!ゆるぽたですね!(洗脳済み)』
さあ、海のルートはここでおしまい。また内陸側へ戻るぞ!そのためには山越えだ!
夕刻の峠には雰囲気が出てくる。
のんびりだらだら登っていく。標高自体は高くないんだけど、あまりにも長い。10㎞は登ってるんじゃないか…?
りっけい(私)『うべ〜まだ登り終わらんですね…下りはいつ来るんですかね』
S.K.さん『え?さっきよりスピード上がったので、実質ここは下りですよ?』
りっけい『???(マジで意味わからん)』
S.K.さん『さあギアを上げて!速度上がれば、下りと同じですよ!』
りっけい(あぁ…やっぱりこの人はまともじゃない)
パワー系ロングライダーさんは変人しかいないのではないか。普段の彼らはめちゃくちゃ丁寧で優しくて腰が低い。だが一度サドルにまたがると爆裂な速度でぶっ飛んでいくし、頭がおかしいとしか思えない発言もしてくる…。もう人間をやめているんだと思う。そういう奇天烈な言動なのに、イケメンばかりというね。パワー系ロングライダーさんは変人しかいない(確信)
『もうここは下りですよ?』と、のたまうS.K.さん妄言を聞き流していると、ようやく本当の下りがやってきた!!
ふぃ~~!気持ちがぐっと楽になった。下った先は知っている道ばかり。まだまだ家まで70kmはあるけど、ほぼ庭みたいなもの。
ぼくが先頭で走る。30km/hイーブン走行は得意分野。瞬発的なパワーはないけど、30km/hペースなら何時間でも走っていられる。ようやく風も収まり、気温も下がり、日もすっかり落ちた。ナイトライドが大好きなぼくにとっては絶好のシチュエーションだ!
ライトが指し示す先を、たんたんと走る。どれだけ身体が疲れていても、自分のペースなら走っていける。いつもの自転車旅で身につけた『80%イーブン走法』の効力をつくづく実感する。
新庄市にIN。
ようやく出会ったコンビニに文明を感じながら、ご飯をいただく。
ラスト40km/h。補給してすっかり元気になった身体で、もう少しだけペースアップして庭を駆け抜けた!!
ほいさ!
ゴール!253kmを14時間で走ってこれた。S.K.さんがいたから気持ちよくハイペースで走れた!
途中はキツイところもあったけど、山アリ海アリのメチャクチャ楽しいツーリングだった!!やっぱりロングライドってのは走った後の達成感がたまらなく気持ちがイイ!!苦労したこともひっくるめて楽しい思い出に変わってしまう。
S.K.さんと走ってみると、自分の強さ弱さが見えてくるし、勉強になることばかりだった。どうやってペダルを踏むのか、ペース配分をどうしているのか、補給食は何を食べるのか、なぜその機材を使うのか、etc…。そうしてこんな無茶なライドをやってくれる人がいるのは嬉しいことだななんて思う。
いやぁ、楽しい時間をありがとうございました!!また一緒に走りに行きましょうね!今度はホントの“ゆるふわライド”ってやつをやりましょうね!!
コンビニでお別れ。
その後S.K.さんは仙台までの60kmを走って帰ったそうな。ほんとにお強い人だ。尊敬。
おしまい。