【東北わちゃわちゃ旅③】標高2200mまで登山すっぞーー!!!【鳥海山】

202009わちゃわちゃ

3日目

♪テンテケテンテン…遠くで何かが鳴っている。

寝ぼけたアタマで気づく…ふむ、これはスマホのアラームか。時刻を見ると4時30分。

ふぁ~~~あ…。大きなあくびが出る。

うん、今日は登山をするんだったな。


昨日までは、山形県酒田市まで自転車で走ってきたんだ。

準備を整えてホテルの部屋を出ると、ちょうどよーかわ氏とヒロちゃんが待ってくれていた。

「おはよう」と挨拶を交わす。みんな眠そうな顔をしている。昨晩のうちに借りてきたレンタカーに乗って出発!

まずは登山口までいっくよー!

運転は、よーかわ氏。でっかいジャムパンをもぐもぐするわたくし。目を閉じて、まどろんでいるヒロちゃん。

外はまだ暗いな時間帯だ。

よーかわ氏「あーまだ山頂は雲がかかっているか」
ぼく「んだね、今日の天候はイマイチかもね」

山の天候はすぐに変わるから好転してくれるといいね、なんておしゃべりするうちに登山口に到着!

外に出てみるとめちゃくちゃ寒い。

ここは標高1100mだ。防寒着を着込んできたけど。

昨晩たんまり買った補給食をポケットに詰め込む。よし、これでいいだろう。

さぁ、行くぞ!!

今日の舞台は、鳥海山だ!!

実は2か月前にも登っているお山。

絶景まみれで大感動したんだ。鳥海山は名峰なのです。
当時の記事:ふらっと標高2200mの登山してみた結果、カレー麺が最高においしかった話。
ここ3か月はすっかり登山にハマっている私。今日はどんな景色に出会えるだろうか…!

いざ、いこう!

元気よくスタートだ!

何もバッグは持たない。水も食べ物をポケットに詰め込んで、一眼レフだけは肩から下げるだけ。まだまだ初心者で体力もないので、まずは軽量化で少しでも楽にしようという作戦。

ざっ、ざっ、ざっ!

開始1分でこの高低差である。もはや山頂なのでは?鳥海山のポテンシャルの高さよ。

ヒロちゃんを先頭に、さくさく登っていく。

岩で舗装路を作られているから歩きやすい。

自転車でのヒルクラムと一緒だけど、登山もリズム感が大事!あまり足元を見ないで、視線を上げて小気味よく!!さくさくっと!

スタートから80分

標高1700mの鳥海湖に到着!

もう500mも登ってきた!早い!!山頂が標高2200mなので、位置エネルギー的には、もう半分まで来た。

ぼく「ここまで来るの早くない?ヒロちゃん強すぎじゃない?」
ヒロちゃん「え?そうなのかな(素)」
ぼく「ひぇ…!」

3人で風の当たらない場所に避難して、お菓子を食べる。

ヒロちゃんはじゃがりこ、よーかわ氏はナッツ、ぼくはチョコ。お互いにお菓子を交換しながら食べる時間がなんとも楽しい。

さぁ、行きますか!ふと鳥海湖に目をやると、霧の中へ消えていた。


あれ?もしや天候、悪くなってる???

霧が出ると気温がぐっと下がった。びゅぅぅぅうう!

ぎゃあ!寒い寒い!!

風が吹く冷蔵庫の中を歩いているようだ。真っ白な世界の中、徐々に体温を奪われる。


冷凍マグロってこんな気持ちなのかなぁ。


なに?太陽がなくて寒い」…逆に考えるんだ。自分が太陽になっちゃってもいいさ、と。

波紋エネルギーは太陽のエネルギー!!ふるえるぞハート!燃えつきるほどヒート!!

冷蔵庫ウォークに40分は耐えただろうか。

分岐地点がやってきた。

前回は右コースの外輪山をぐるりと歩いた。尾根*歩きは気持ちいいコース。
*高く連なっている箇所

今回はよーかわ氏の提案で、左の谷コースへ!谷になるから風は来ないだろう、との判断らしい。

たしかに谷なら風からは逃げられそうだ。



突然のダウンヒル!!

谷に下るために一気に下っていくんですよね!!急斜面すぎてもう笑えるレベル。湿気を含んだ岩は滑るし、霧で視界は悪い。自然様の偉大さをつくづく感じる。

脳裏にふと「三途の川」と浮かんだが、あまたを振る。こんな山でケガしても病院まで何時間かかるか分からない。


息が上がる。呼吸を整えるために写真を撮る。

あっという間に、2人に置いて行かれる。完全に山歩きに慣れている。

体力のある2人だ。北海道でも十勝岳ろ美瑛岳を縦走*したり、旭岳を登っている。しかも10日間の自転車旅をしながら。
*山頂に立った後に下山せずそのまま次の山へ向かうこと


一度は登ったことある鳥海山だが、前回とルートが違うせいで、距離感が全然分からない。

急峻な山道を登っても登っても、山頂が見えない。


パッと霧が晴れた…!!

うぉおおおお!!!「あれじゃない?山頂あれじゃない?」と前をゆく2人に声をかける。

2人は、にへへと笑い返す。

やっぱりこの瞬間がイイ。長いこと足を進めた先に見つける山頂。視界で一番高い場所を目指すだけ!

山伏さんが休憩していた。

タヌキの毛皮をお尻に敷いている様子を見て、ガチ装備のよーかわ氏が「いいなぁ、毛皮いいなあ」とやたら欲しがっていたのに笑った。

きた!頂上への案内だ!!

だがしかし、矢印のさす先は…

岩しかねぇ!!!

岩場歩き…いや岩登りか。ここはボルタリングの要領で登っていけばいい!はず!!一応3人ともボルタリング経験者だ!(ぼくはお遊びレベル)

うわはははは!!これは楽しい!!

こんなギミックに無性にテンションが上がる。日常生活では巡り合えないワクワク感とスリルにドキドキする。岩登り楽しーーー!!

高所が苦手なヒロちゃんは「あぶな…あぶな…い」と肝を冷やしていた。きっと彼の感覚が正常だと思う。


くぅわ~~!!!岩が好きな私としてはたまらない光景…!!


巨石が!迫っている!!


隙間へ急速潜航!!!!


ふふふふ!!岩がカッコいいんじゃあ!!
岩遊びに興じていると、ついに山頂が見えてきた!!

おらあああああああ!!!!!

登頂じゃい!!!!

ぼくらが喜びを露わにして記念撮影をしていると「ふふふ…元気だねww」とおばちゃんに声をかけられた。かるく挨拶を交わして話してみる。

おばちゃん「わたしね、ここで98座目なの」
ぼくら「え、まさか百名山やってるんですか???」
おばちゃん「ええ、北海道も九州もいったよ」
ぼくら「すごすぎる…」

百名山ってのは、全国の100の山を登る挑戦のこと。10年ぐらいかかるし、お金も300万かかる変態な挑戦らしい。
おばちゃん「今日は雲がかかっててイマイチ景色が見えな…あっ!!」

ぼくら「雲が晴れそう!!」

「下まで見えた!!」誰かがそう言った瞬間

ほんとうに瞬く間ぐらいだったけど、たしかに海と地平が見えた!!

「あ~!」「おおぉ!!」「すっげ!!」その瞬間、山頂に居合わせた人たちが、驚嘆の声をあげた。ぼくも思わず「うっわ~~!」と上ずった声が漏れた。

雲が晴れた瞬間、はるか下の町まで見えた。みんなが一斉に声が上がった瞬間と相まって、なんとも幸せな空間にいることを確信していた。いい瞬間だった。

さあ、頂上から下ってお昼ご飯を食べよう。

下り道もエキサイティングすぎた。道…どこ??

なんとか山小屋近くに戻ってきた。風が強くて、寒くてブルブル震える。

お昼はカレーメシだ!!

よーかわ氏にお湯を沸かしてもらう。沸き待ちの時間がなんとも切ない!太ももを上げ下げして、寒さを紛らわす。

ほっ!ほっ!ほっ!ほっ!

「頂上が5℃って予報がさすがにウソでしょ」と高をくくっていた朝の自分をぶん殴りに行きたくなる。クッソ寒いわ!!風も吹いているから余裕で体感温度は5度を切っている。

よーかわ氏がお湯を沸かしてくれた!お湯入れてからも待つの??さむいさむいさむい!!!

で、できた~~~!!!

寒さに耐えられず、スープをぐびっとのみ込む。

…ふぅあああああああ!!!うますぎる!!!なんじゃこの食べ物は!!天界からの贈り物か!!!

噛むことを忘れて、ぬくもり欲しさにそのまま飲み込む。濃いめのカレー味も最高に美味いんだが、あったかいものを摂取できたことも身体が喜んでいやがる!!!最高!!!!

さぁ、下山しよう!!寒すぎて、じっとしていられない!!!

午後になると完全に雲が晴れた。ここからは絶景の様子を写真で振り返っていこう。

   


完全に優勝しました。ありがとうございました。

かっこいい立ちポーズを決めようと腰を上げると

へっぴり腰のくそダサいポーズを決めてしまった。

ヒロちゃん「げらげらwww」
ぼく「無理なんだって!風強くて、立ってられん!」
ヒロちゃん「にしても、ダサいwww」
ぼくら「げらげらwww」

通りすがりのお姉さんに「なんか楽しそうだねぇ」と話しかけられるが、本当に楽しいんだから仕方がない。

ぼく「二度目の鳥海山なのに、初めて来たときぐらい楽しい!!不思議!」
よーかわ氏「人は学ばないから。楽しいことは何度やっても楽しい」
ぼく「あーわかる!!」

最後まで3人でわいわい話しながら、無事に下山完了!!2人は「今日は休息日だったな(意訳)」って言ってたのには震えた。強者すぎませんかね?


1日の〆は焼肉でした。アウトドア好きのガソリン。

昨日も焼肉を食べてたけど、めちゃくちゃおいしかった。やはり「人は学ばない」ってのは真理だ。

3人でホテルのお風呂に浸かりながら、ぼけ~~と話しているうちに1日が終わっていくのだった。

登山、めちゃくちゃ楽しかった!!!!

つづく

前に鳥海山を登ったときの記事:ふらっと標高2200mの登山してみた結果、カレー麺が最高においしかった話。