「雪ツーリングキャンプ」でまた悲惨な目に遭ってきた話。

S.K.さん

いやっほおおぉおお!!思わず声が上がる。なんていい道なんだ…!

今回の舞台は、山形県のちょっと山奥。S.K.さん(ちょっとイカれた自転車乗り)と一緒に走りに来ていた。S.K.さんは朝3時半に家を出て、65kmの雪道を走って山形まで来てくれていたのだ。狂気…。

さて、この日は2021年ももう間近というタイミング。雪道を自転車で走って、雪中キャンプもやろうという、てんこ盛りの1泊2日だ。

朝7時にコンビニに集合して山へ向けて走る。街中でも雪はいっぱい積もっている。

山へ登っていくとだんだん晴れ間が見えてきた…。曇り空が多い冬の山形にしては、珍しい天候だ。意気揚々とS.K.さんとクライムをかける。おおおぉお!絵になる!!

きっもちいい!!なんだ、この真っ白な世界は!

縦写真でうまく決まった一枚。なぁ、おい、最高か?

高い木々と雪の世界は、フィンランドを思い起こさせる。さながらムーミンの森だ。あまりの暑さに2人して脱ぐ。気温は3℃ぐらいなんだけど、日差しがたまらなく暑い!

極寒ライドを想定してきていたのに、まさかインナーだけの格好になるだなんて!これだから天候を相手にする遊びは面白い…!

せっかくの青空チャンス。「ここで一気に写真を撮っておこう」とS.K.さんと撮影し合う。うっひょおぉおお!カッコいい!後ろに見える雪山は、山形の名峰、蔵王だろうか?

かぁ~!最高の天気!まさか青空と雪を一緒に見れるとは!!

いいね!いいね!

S.K.さんは保温ボトルに、お湯を準備してきていた。

なんにも考えていないぼくは普通のドリンクボトルを持ってきたせいで、ドリンクを凍らせてしまいちょっと凹んだ、自分のアホさに。

除雪、お疲れ様です。

今回のベストショット。S.K.さんあまりにもいい男では?

さて、自転車紹介しましょう。雪ライド用にカスタムしたバイクが2台並ぶという珍しい光景だ。

S.K.さんバイク。BOMBTRACK Hook EXT。ゴツイ雰囲気だが、洗練された仕上がり。

タイヤにはシュワルベのアイススパイカープロ(27.5×2.25)スパイクタイヤを履いている。

27.5インチ(650B)というやや小さな径に、太い2.25インチ幅とは…めちゃくちゃいいチョイスをしている…路面が刻一刻と変わる雪ライドには、こういうタイヤが最適だって最近思っていたところだったんだよね。

りっけい(私)バイク。FUJI Jari 1.3。シュッと細身な印象。

タイヤにはシュワルベのマラソンウィンタープラス(700×35)スパイクタイヤを履いている。

アスファルト舗装をメインで走る雪用タイヤとして優秀な逸品。しかし今回は雪上を走るシチュエーションばかりだったので、その特長はあまり活かされなかったけどね。

S.K.さんとバイクを交換して、お互いに試乗してみる。S.K.さんバイクは、もう極上の走りだった。

路面のギャップをいなす乗り心地が気持ちいい…。雪上ライドだとどうしたって、クルマのわだちにタイヤを取られるものだが、その不安感が一切ない。リラックスしたポジションで安定した走りができるとは…雪ライドの課題をおおいに解消している。…Hookほしいな。

逆にぼくのバイクに乗るS.K.さん。

日中の暖かさでゆるんだ雪にタイヤがハマって苦労している。

10%を超える上り坂で、ずるずるに滑る雪面。せっかくのスパイクタイヤも、ぐずった雪には効果もなく、空回りだけするマシンに様変わりしてしまう。一度止まったら再発進ができないという詰みっぷり。

う~ん、このJari 1.3…ぼくが求める走りにはあまり合っていないような気がする。

「舗装路を登って、未舗装路を思いっきり下る」というダウンヒルバイク的な走りを得意とする挙動のように感じる。好きなバイクだけど「なんだかイマイチかも」と思ってしまう。S.K.さんもおおむね同意のようで、2人してHookがいかに優れたバイクなのかを再確認する。激しい登りが苦手なだけで、Jari 1.3もいいバイクなんだけどね。

ツーリング志向の強い僕としては、登りがツラいバイクってのは、あまり好みに感じられないというか…ウニャウニャ。

そんな話をしながら、テント設営をする。

テントも張れてバッチリ!

日も暮れて寒くなってきたところで…

かんぱーーい!!

S.K.さんのテントの中でホットワインを飲み、ハムを食べる。

はぁ~~~!これがうまいんだ…。雪キャンプには、ホットワインか熱燗が欠かせない…!1年前に初めて雪キャンプツーリングしたときに、S.K.さんと飲んだホットワインがあまりにもおいしくって、そこからホットワイン好きになってしまった。

外はしんしんと雪が降り、暖かかった空気がピリリと冷える時間帯。そんな夜の時間に、そっとホットワインを飲む贅沢さといったらもう…。最高じゃないか。

夜の雪山ってのは娯楽がない。外で走り回るには危ないし、雲がかかっていて星も見えない。

でも、「ただただしゃべる」ってのが何よりの娯楽だ。こういう夜のテントでの喋りってのは、人を饒舌にさせる。これまで知らなかったS.K.さんの一面を知れたり、めちゃくちゃに笑ったり、最高の時間が流れていくのだった。

本当に楽しい時間だけど、そろそろ寝ようか。そう思って、外へ出ると…

なんじゃこりゃあああ!テントがぺちゃんこに潰れている…あぁぁ…。

強風でテントが倒壊してしまったようだ…。なんてこったい!だまし絵かな…?

信じられる?これが今晩の宿なんだぜ?

雨に変わった天候のせいで、潰れたテントの上に水たまりができていやがる…こんなことってある?

となりのS.K.さんは大笑いしている。

テントの中のモノは、ちょっと浸水しているっぽいぞ…あれ、もしかして水没エンド???

「俺のテントで寝なよwww」と優しいS.K.さんの誘いを断りつつ、しっとりと濡れてシュラフ(寝袋)にくるまって一晩を過ごすのでした。

翌朝。しっかり眠れなかったあぁ!!

妙に眠れず、頭がふわふわする。しっとりと濡れたシュラフの保温力が落ちていて、体温が維持できなかったんだろう…サムイ…。

一晩中雨が降っていたようで、路面がぐちょぐちょ。朝のコーヒーで温まりながら、S.K.さんと相談する。この後も雨が降りそうだし、雪ライドは苦戦しそうだ。こんなシチュエーションではタイヤが取られてばかりで一向に進めないので、すぐに撤退することに決める。ぐずぐずの雪道を走っても、ツラいだけだしね!

街へ戻り、駅にてS.K.さんと解散!

重たいグラベルロードバイクと、キャンプ道具を輪行袋に詰め込んで、電車に乗り込んでいくのであった。

楽しい2日間をありがとうございましたー!また来年も『雪キャンプツーリング』やりましょうね!!

あー、楽しかった!

おわり。


この時の様子はYouTubeにもまとめているよ!

この時の装備はS.K.さんのYouTubeで紹介されているよ!

1年前にもS.K.さんと雪ライドへ出掛けているよ!そのときの様子は、ここから読めるよ!

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