折れたスポークを自分で交換して、ホイールを修理してみた【SHIMANO R9100 C24】

ロードバイク

5年以上愛用していたSHIMANO DURA-ACE R9100 C24ホイール。


ツーリングやロングライドには欠かさなかったホイールが、突如壊れてしまった。

軽量アルミリムホイールの最高峰(と個人的に思っている)が、壊れてしまったのだ!あぁ、なんてこったい。。。

スポーク折れの発生状況

壊れた状況を少し残しておこう。

壊れたのが、リムブレーキモデルのR9100 C24のフロントホイール。


北海道ツーリングでキャンプ道具を積載した状態で2日間走っていた。荷物をすべて下した状態で数キロ走っていたところ、何の前触れもなくホイールがフレはじめた。

まったく原因が分からず停車して、前輪を確認すると…


スポークがぽっきり折れていた。ハブ側から75mmの位置だ。

試しにホイールを回してみると、ブレーキシューに接触して、まったく回らなくなってしまった。おそらく停車時の衝撃で、完全に折れてしまったのだろう。違和感を感じた時には、かろうじてスポークが繋がっていたと推測している。

しかし原因はまったくの不明。


Twitterで様々な意見をもらうが、どうも「度重なる衝撃によって蓄積した金属疲労」という説が濃厚だった。

このときは、全5日間の北海道ツーリング。その折り返し地点にもいかないところで、自転車旅が終わってしまった…。この時は、深く深く絶望をした。。。(この時の話、別の記事に書きますね)

作戦を立てる

さてどうやって直すべきか。

なんとか自宅に帰ってきて、現物を確認して、頭をひねり、ネット検索にひた走る。

幸い折れたスポークは1本だけだ。折れてからは一度も乗車していないし、他の生き残ったスポークのテンションに異常が出るようなことはしていない。「折れたスポーク1本だけの交換・テンション調整だけをすれば、修理できるのではないか?」と推測する。

さらにSHIMANOのサイトには、「部品展開図」と「ディレイラーマニュアル」が掲載されている(参考:部品展開図ディレイラーマニュアル)。

今回壊れたのは「SHIMANO DURA-ACE Front Wheel WH-R9100-C24-CL-F」だ。部品展開図のページから、検索するとヒット!


購入すべきスポークが、「Y4SYS1000 Spoke (283 mm)」という名称だとわかった。

検索するとどうもASKULも取り扱いしているようで、価格もかなり良心的だった。必要なスポークを1本注文する。およそ1週間後に到着予定なので、のんびり待つ。

待っている間にいろいろ調べていると、友人のS.K.さんのブログ記事に、全く似たような修理の話が残されていた。さすがS.K.さん…困ったときの知恵袋として、とてもありがたいのブログを作っている。

1本だけ折れたスポークの交換:WH-RS100のスポークが折れたので自分で修理してみた


こちらの記事を大いに参考にしつつ、作業を進めることにした。いつもいいブログをありがとう!

さて、ここから紹介するスポーク交換方法は、自転車安全整備士でもない素人が自分なりに修理していく過程を紹介する一例だ。修理の品質を保証できるものはないので、参考程度に読んでもらえると嬉しい。

本来はテンションメーターや振れ取り台を使って、テンション調整をすべきだが、ぼくはそれらを使っていない。「1本だけの交換かつ、他のスポークにダメージがなかった」からできた、簡易的な修理方法だと思う。

そんな自分流の修理方法を紹介していこう。

準備するもの


スポーク以外で購入したのは、この2つだ。

・ニップル回し
・リムテープ


こちらもSHIMANOの部品展開図に記載されていたので、とくに迷うことなくAmazonで購入した。

ニップル回しは1本しか買わなかったのだが、2本購入すべきだった…。ストレートプルかつ扁平スポークなので、ニップルを回すと一緒にスポークまで回ってしまい、締めることが難しかった(後述しますね)。

あとは工具だが、家にある工具で事足りた。

・マイナスドライバー
・ネジザウルス
・5mm六角レンチ 2本
・30mmモンキーレンチ

作業①リム側に残った折れたスポークの除去


折れたスポークは、2本に分裂している。まずはリム側に残ったスポークを取り除いていく。

ニップルだけを回してスポークを外す方法も考えた。しかし、そうなるとスポークから外れたニップルがリム内に入り込んで、とてもややこしくなる未来が見えたので、やめておく。

基本に立ち返って、確実な方法で進める。


リムテープをマイナスドライバーで剥がしていく。


接着しているわけでもないので、スルスルと外していける。きれいに外せたので再利用しようかと思ったが、一年で交換した方がいいと言われるリムテープを5本以上使っているので惜しみつつ捨てる。


後でニップルを再利用するので、ニップルも外しておこう。ネジザウルスは、複雑な形状でも高い固定力で掴めるペンチでかなり便利なので、おすすめ。

作業②ハブ側に残った折れたスポークの除去

ハブ側に残ったスポークを取り除くには、すこし面倒な作業だ。というのも、今回はストレートプルのスポークだから。

出典:Amazon

Jベントスポークは、とくに作業なく、このままスポークを外せる。


しかし、R9100のハブ形状では、スポークがハブ軸にぶつかって取り出せないのだ。ハブ軸を抜き取って、スポークを抜けるスペースを確保するしかない。

そこで役立つのが、SHIMANOのディレイラーマニュアルだ。

出典:SHIMANO

ハブ軸の抜き方も詳細に記載されているので、それ通りに抜いていく。


2本の5mm六角レンチと、モンキーレンチがあれば問題なく抜き取ることができた。

ハブ軸が抜ければ、スルッとスポークを回収できた。

作業③新しいスポークの固定

今度は逆の作業だ。新たなスポークを差し込んで、固定する。

ハブ側から差し込む。

ホイール穴からニップルを入れ、スポークとつなげる。あとはニップル回しでくるくるまわせばいいだけ。

だったはずだが、うまくいかなかった。

ニップルを回すと、スポーク全体が回転してしまう。

ハブ側のスポーク端がくるくると回ってしまい、いくらニップルを回しても効果がない。

そこで、モンキーレンチでスポークを固定しつつ、ニップルを回す手法でスポークを締めていく。しかしこのやり方では、事あるごとにモンキーレンチの微妙なスリット調整が必要だし、スポークも傷ついてしまう。

ニップル回しを2本買っておけばよかったというのは、この作業を楽にできたはずだからだ。


細くスリットした部分は、ちょうど扁平スポークにちょうどハマる。これでスポークを抑えながら、ニップルを回せればさぞ楽な作業だったろう。

作業④フレ取り

ニップルの仮止めができたら、次はフレ取りだ。そのままホイールを回転させても、横方向にフレてしまう。

振れ取り台を持っていないので、


逆さまにした自転車のフォークに、ホイールを固定する。

フレの状態を見ながら、ニップルを回していく。


ブレーキシューと、リムの間隔を見ながら、ひたすら締めたり緩めたりを繰り返す。

うん!いいかんじ!

横フレも縦フレも出ていない。目に見てわかるフレがなくなったので、1mm以下のフレームに収めることができただろう。

ふー、よかった!
最後にリムテープとタイヤの取り付けて完成!

試走して、状態確認

試走しても全くの問題なし。

乗車してもフレもないし、回転もスムーズだ!あーー、よかった!!

ただこれは素人の修理なので、今後問題が出ないとは言いきれない。ロングダウンヒルを含むようなライドにいきなり投入できないので、すこしずつ様子を見ながら運用していくことにしよう。

自分で修理してみたいと思っていたので、ここまで修理ができたのはよかった。ただし人におすすめできる方法ではないので、これを読んでくださる方には充分気を付けていただきたい。

プロショップに持ち込んで修理してもらった方が確実だし、ホイールの不調につながる他の問題点も発見してくれる可能性も高い。スポーク交換作業だけではそこまで高額になることもないと思われるので、素直に持ち込んでしまうのがいいと思う。

おわり。