【前編】ちょっと8号線キャノボに挑戦してきた【新潟→京都】

201910R8キャノボ

うっおおおおお!!!

国道8号線キャノンボールの実走編だぁあああ!!!

この“R8キャノボ編”をまとめてるよ!
①準備編
②前編←イマココ
③後編
④振り返り

新潟→京都550kmを24時間以内に自転車で走るという、ちょっとおかしな挑戦。

4か月前に1回目の挑戦をして失敗をしてしまった。。。2回目の今回は達成できるのか!私、気になります!
1回目の国道8号線キャノボの記事はここから!

スタート前

2019年10月20日。

目覚ましの1時間前に起床する。ここどこだっけ…?


そうか、新潟市のホテルだ。前日に5時間かけて電車で来たんだった。

今日はなんだかいい一日になりそうだ。

少し眠たいけど、なんてことはない。ゆっくりベッドから起き上がれば、筋肉や関節に違和感がない。身体もきっといつも通り動いてくれるはず!


ホテルの朝食バイキングをもぐもぐ。

しっかりカロリー補給をするよ!胃腸の調子もバッチリ!

「今回のキャノボは達成できるなあ」とぼんやり思った。前回のR8キャノボでは朝から食欲がなく、あまり食べられてなかった。

チェックアウトしてロードバイクを組み立てる。

ブレーキよし!変速よし!各種ライトよし!オールクリア!今日一日よろしくね!

近くのコンビニで補給食をしこたま買う。

メインにお菓子やウィダーインゼリー的なものをチョイス。大好物のちくわも買い忘れないよ!

ドキドキしながらスタート地点へ向かう。

ここ、『新潟市本町交差点』がスタート地点だ。


この交差点は国道7、8号線の起点となるのだ。

あぁ、なんだか懐かしい。

ちょうど一年前には、ここを出発して515km先の青森まで『国道7号線キャノボ』をしたっけな。初挑戦で初達成というなんとも嬉しい結果だった。

またも同じ場所から『国道8号線キャノボ』をスタートできるだなんて…!!なんだかテンションが上がってくるぞ!

ふぅーーー。空に向かって深呼吸。

…うまくいきますように。

4か月前のR8キャノボは失敗してしまった。あれからたくさん乗り込んで、いっぱい考えてきた。きっと大丈夫。何もかもを準備してきたんだから、なんら慌てることはない。目の前のミッションをこなしていくだけだ。

ケガをしなければいいなあ。安全が第一目標だ。ケガや機材破損は絶対にしたくない。

ほんと、うまくいきますように。

0~50km(新潟市→長岡市)

9時15分。信号が青になった。

地面を蹴りだす。最初のひと踏みを慎重に、かつ確実に踏み込んだ。

動くペダル、回るホイール、進むバイク。
これだけのシンプルな挙動にわくわくしてしまう。はるか先の京都まで走るんだ、そう強く実感した。

身体の調子を確認するようにゆっくりと走る。新潟市内の信号ゾーンは割とあっさり抜け出せた。事前にルートを作っておいたので、ナビに従って走っていくだけだ。簡単、簡単!

4kmも走れば、国道402号線に入れる。海沿いのフラット!とってもいい道だ!!


海が大好きなぼくはここで一気にテンションが上がる!!

どこまでも続く青い海と空!きらめく波を眺めていると、どこまでも走っていける気持ちになる!交通量も信号も少ないので、がんがん距離を稼げる!さらに風もやや追い風。これはうれしい!!いやっふぅうう!!!脚が止まんないね!

1時間経過。26.2kmも進めていた!!はっやい!!!

もともと23.3km/hペースで走ることを想定していた。もちろん後半になるほどペースダウンするので、前半にある程度稼いでおこうと思ってはいたけど!ここまで速くなるとは!!

体力面もまったく心配はない。心拍も落ち着いているし、身体のコリもない。筋肉だってピンピン元気だ。

走りだしの1時間は、ペダリング調整しながら走っている。乗るたびに微妙にポジションを変えながら、しっくりくるペダリングを探す。今回もぴたりとくるポジションに合わせられた。もう当分はこのままで大丈夫そうだ。うん。なにも問題なし!!

…ふっと思った。

『キャノボって暇だなあ』

もう考えておくべきことがないのだ。準備段階では、あらゆることを想定してどう対処するのかを考えつくしてきた。溺れるように情報を飲み込んで、ない頭を必死に回して最善手を探し出し、実際にできる方法かを何度も試行した。

その過程も楽しくって、走り方や補給方法や機材選定を考えてきた。(この辺の話の一部は、”ロングライドのコツ”としてブログにまとめてまっせ!)

それに対していざ走りだしてしまうと、なにも考えようがないのだ。シーンと静まる海底にいるような感覚だ。

『疲れないように走る』だけ。
何も考えないのが正解だ。

逆に走行中にいろいろ考えてしまうと、脳が疲れ切ってしまう。前回のキャノボの失敗の一因が”脳の使い過ぎ”だった。ぼくの悪癖に『走りながら脳内でブログ記事を書いてしまう』ことがある。もう脳が勝手に、構成や言葉選びをしてしまって脳をガンガン使ってしまう。こうなると疲れて、思考力がどんどん落ちていく。

…というわけで、なにも考えずに走ること!これが最適化された走り方なのだ。


相変わらず美しい景観だ…!

適度にアップダウンがあってなかなか飽きない!ずっと奥まで見えるので、信号のタイミングも合わせやすい。国道405号線は自転車乗りにとって天国のような道だと思う。

停車回数があまりにも少ないので、走りながらストレッチをする。下り坂では足を止めて、ふくらはぎを伸ばす。膝を外側に広げて股関節の運動。肩をすくめて首のコリの解消。走りながらでも身体のメンテができて、かなり楽チンになる。

50~100km(長岡市→柏崎市)

2時間経過で53.3km。
時速26.7kmだと…!?想像以上の快走っぷりだ!!!おいおい、順調すぎるぞ!!
ニンマリ嬉しくなる。このペースは崩したくない!

しかしその直後、寺泊シーサイドマラソンに出会った!

やべぇ!これは通行止めパターンか?10月はマラソンシーズンだからなあ…下調べが抜けていた…!!

けど幸い片側交通規制のみ。ちょうど進行方向の道が通行可だった。よかった!!運もいいぞ!沿道のおばちゃんたちに応援されながら走り抜ける。まさか京都を目指してるとは思ってないだろうなあ。けど応援されると力がみなぎってくる!頑張りまっせ!

無事にマラソンゾーンを走り抜けられた。

石地海岸あたりに差し掛かるところ、『がんばれーーー!』と応援された!!
T字路に立っていたのはMOLさん(Twitter:@asgardhr_mol)だぁああああ!!!

ニコニコと爽やかな笑顔で声をかけてくれた!『ありがとうございます!!』とだけ応えて、スピードそのままに走り抜けた。(いま思えば停車して、お礼をいえばよかったな)

力がもりもり湧いてきた!!Twitter上でもたくさんの応援をもらっていたけど、やはり現実世界で直接応援をもらうと大きな励みになる!すごく元気が出た!ありがとうございました!!

そのままの勢いで26km/hペースで4時間を走り抜ける。自分でも驚く!なんじゃ!このペースは!!計画していた23.3km/hペースを大いに上回っていた。

100~150km(柏崎市→糸魚川市)

さすがに4時間ノンストップは身体にキツイ!!

ので、超回復アイテムを今回導入していたのだ!


スポーツ用ジェル!

ズルズルっと飲む。ちょっと変な味。けど、効果はバツグンだ!!筋肉がぐんぐん回復していく気がする!!

エネルギー源はブラックサンダー、タンパク質はちくわ、ビタミンはジェル!この三種の神器で補給をガンガンする!もう止まらないね!

補給食も尽きてきたタイミングでちょうど薬局を発見!ピットイン!

自転車を降りて体調の確認をする。「関節は痛くないか?筋肉は震えてないか?頭はスッキリしているか?」細かくチェックする!すべて問題なし!ストレッチをしながら、こうやって体調の把握をする。


補給食をガッツリ買い込む。

このあとも補給しながらの走行を淡々と進める。まったく考えない。ごちゃごちゃペース配分の計算をしていても、走りが速くなるわけでもない。むしろ速く走るより、長く走る方が優先事項だ!

全力走の80%の力を常にアウトプットすればいいのだ!!

…ボシュンっ!!

ハンドルが、ガガガガっと振動を拾う。パンクだ!

完全にバーストパンクだ。


手早く修理する。過去最速の10分で修理完了!

タイヤに異常がなかった。内側からチューブが破れているので、チューブ寿命と判断して先に進む。
(帰宅後タイヤを調べたが、やはり異常はなかった。ほんとにチューブ寿命ぽかった)

この時点で130km地点。
パンクも想定してたので、なにも慌てることがなかった。時間的には余裕がある。あと1回ぐらいパンクしても、時間的には大丈夫なはずだ!

こんなトラブルがあったときには、自分自身をコントロールする!焦ってしまうと無茶な走りをしてしまう性格なもんでね。
全てのトラブルを想定しておけば焦りは出てこない。もし想定してない事態になれば、もう仕方ない。割り切り大事。

いまはメンタルコントロールできていて問題なし!!これは最高の走りができているのでは???

あ。例の場所だ!

ここは前回の8号線キャノボでリタイヤした場所だ。あのときは逆向きの京都スタートだった。18時間経過して400km進んだところで、頭がフラフラし始めて走れなくなった場所だ。

『あの時より確実にレベルアップしているなあ。550kmという長丁場だけど、今回は達成できるぞ』となんだか誇らしく思う。

…ん?
逆に考えよう。ゴールの京都まで400km地点がココか。残り18時間もある。

前回の『ぐだぐだペース』でも400kmを18時間で走れたんだ。

…いける!!!

現在地点と残時間から考えれば、前回ペースで走ったとしても達成できる!!!

閃いた瞬間、『勝ち』を確信した。

前回は牛丼屋に2回立ち寄った。2回目なんて動けなくなり30分以上、店に居座っていた。さらに途中のコンビニでのんびり休憩をとっていた。福井県でも信号の影響で大量に時間をロスしていた。

大丈夫!今回は達成できるぞ!

ゴールまでのビジョンが見えた途端に、元気が湧いてきた!!!!

よっしゃぁあああああ!!!待ってろよ、京都!!!!18時間後にはゴールしてるぞ!!!

この時153km地点、6時間経過。

勝ちを確信したぼくはさらに加速した。

つづく

この“R8キャノボ編”をまとめてるよ!
①準備編
②前編←イマココ
③後編
④振り返り

オススメの補給食↓